猫はストレスで病気になるほど、ストレスに弱い動物だといわれています。
あなたが猫のためによかれと思ってしていることは、もしかしたら、実は猫に大きなストレスを与えているかも知れません。
今回はどんなときに猫がストレスを感じているか、また猫のストレスを減らす暮らし方を考えてみます
猫がストレスを感じるときとは?
基本的に猫が嫌だったり、恐怖からストレスを感じるものは、大きな音や振動、急に自分の視界に入られる、しつこくされるなど、自分の本意でないことが続く時です。
猫は決まりきった、平穏無事な毎日が何よりも好きです。
大好きな日光浴ができない雨の日も猫には大きなストレスです。
たまに来る賑やかな客人も実は「さっさと帰れ」と思われているかも知れません。
猫はとても自分本位な動物です。
いつもは触られたり抱っこが好きな猫でも、「いまは触らないで!」「いまは、ひとりでいたいの」という時間があります。
そんなタイミングで触ったり抱っこされると、人のよい猫は「まぁ、仕方がないか」と我慢します。
触られているうちに、気持ちよくなって落ち着いてしまえばよいですが、どうしても構われたくないときであれば、猫は不機嫌になり、身体を反らせたり、飛び降りてしまいます。
大人であれば、猫が去って行けば追いませんが、子どもはそういうわけにはいきません。
猫のキモチなどお構いなしで、追い回したり、無理矢理引っ張ったり抱き上げようとします。
子どもは猫にとって天敵ともいえます。
きれい好きな猫はトイレが汚れていることもストレスになります。
トイレはいつも清潔に。できればもう1個余分にあると猫には優しいでしょう。
いつもの時間にご飯が出てこない、飲みたいのに水がない、これも猫には大きなストレスです。できる限り、生活リズムを守って下さい。
いま、近寄らないで下さい!
猫が嫌がっているときのサイン
猫がイヤだ、怖い、警戒信号を発しているのは以下のようなサインで判読できます。
このようなとき猫は、大きなストレスも感じています。
無理矢理抱っこしてとか、撫でてとか、ご飯でご機嫌を取る必要はありません。猫の気分が落ち着いて、猫が自分から甘えてきたら、いつものように接して下さい。
・しっぽをブンブン振る
:抱っこしているときでも、しっぽを振るそぶりを見せたら、もう抱っこに飽きているかも知れません。
速やかに猫を開放してあげて下さい。
・耳を寝かせる
:自分が気になる音をよく聴きたいと思ったり、不愉快な音を耳にしたり、恐怖を感じると耳を寝かせたり、後ろに反らしたりします。
こんなサインが見えたら、猫が落ち着くまでほうっておきましょう。
・明るい場所でも瞳孔が広がり丸くなる
:本来明るい場所では猫の目は針のように細くなるはずですが、興奮したり、恐怖を感じたりすると、瞳孔が開いて丸く膨らみます。
ほかにはなんの兆候も見られないけれど、ものすごくかわいい顔に見える(黒目がちに見える)時は、かなり興奮してるかも。
猫からはなれて、落ち着くまで観察して下さい。
黒目がちになってます。近寄らないで下さい
・ヒゲが全部前に向いたり、後ろに寝ていたりする
:ヒゲにもセンサーがあるので、何かを感じたとき、ヒゲが一斉に極端な動きをすることがあります。
よくみていると、口元が微妙に動いたり、咽の奥からグツグツといった、喉ならしとはちょっと周波数の違う音を出していることもあります。
・体勢が低くなる
:横になっていたり、座っていたりしても、身体に力が入り、少しからだが沈み込んだように見えたら、何かを感じて、いつでも飛び出せるように身構えているのかも知れません。
猫が膝の上いたら、ゆっくり静かに猫を下ろしましょう。
・しつこく過剰にセルフグルーミングをする
:セルフグルーミングは猫が自分で身体をきれいにしたり、体温調節したりといった効果以外に、自分の気持ちを落ち着けるためにもやります。
いらついたり、ビックリしたり、怖かったりした後も、自分の身体を舐めて、そのリズムで落ち着きを取り戻すのです。
しかし、過度なグルーミング、それも同じ場所ばかりしつこく舐め続けるのはストレスを感じているという大きなサインです。
もしそのような行動がみられたら、猫がいる住環境、トイレ、同居人、先住猫との関係などを見なおして下さい。
しつこいグルーミング
・暗くて狭い場所に引きこもる
:基本的に猫は暗くて狭い場所が好きな動物ですが、一日中そこから出てこないとなると、体調が悪くなっている可能性があります。
食事状態やトイレがまったくいつもと変わらないか、よく観察して下さい。
・毛の様子がいつもと違う
:毛がパサパサしている、毛割れがある、毛の色味がいつもと違う気がするなどを感じたら、身体の変調のサインかも知れません。
気になるようでしたら、主治医の先生にご相談下さい。
・にゃぁにゃぁ文句を言う
:日頃からおしゃべりな猫はいいですが、あまり鳴かない猫がにゃぁにゃぁ訴えるように鳴くときは、何かがあると思って、話を聞いてあげて下さい。
「にゃぁおにゃぁおぅ」文句言い始めました
猫にストレスをかけないためには、このような「いまはだめ」という猫のサインを感じたら、放っておくことが一番です。
そして、たとえ猫が自分から近寄って甘えてきても、しつこくしないこと。
猫はすぐに気が変わり、飽きます。
気持ちよさそうに咽を撫でられているからと思っても、次の瞬間には「しつこい!」とカプっと甘噛みされたりするのです。
猫がかわいくてしかたがない、咽を撫でてあげると喜ぶから。
そのキモチは、ものすごくよく理解できます。
しかし時に、猫はそれを望んでいないかも知れません。
猫との生活はスリルに満ちています。
どんなときでも猫の感情の変化が読み取れる同居人であってください。
それこそが猫と暮らす醍醐味です。
ここはわたしのお城、ここにいるときは構わないで
この記事の担当ガイド 岩田 麻美子 All Aboutより転載
プレミアムキャットフードの専門店『tama(たまのおねだり)』
全国どこでも全品送料無料キャンペーン中