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初再呈示
- テーマ:
- 愛の修道士の路
『愛情による結婚でなかったら、私はおまえに結婚してほしいとは思わないよ。 愛情が欠けていたら、一切は無に帰するからね。』
―― ツルゲーネフの、自分の娘への言葉 ――
愛情は、愛情いがいの他のどんなものによっても埋め合わせられない。 どんな理解のある友情によってさえ。 ただ一緒に暮らせられればいいというものではないのだ。 愛情には愛情の本性がある。
しかし、よく聞くがよい、本人いがいの誰も、どんな身内の〈親しい〉人間でも、結婚に関しては自分の利益しかかんがえていないのだ。ツルゲーネフのように言ってくれる者は、この日本にはまだいはしない。
この日本に、ほんとうの夫婦など何組いるだろう。社会的打算による結婚はすべて合法的不倫である。 それで愛情の本性から復讐を受けて、社会的不倫を起してさわぐのは、もともと愛情に真剣でなかった結果である。
日本は愛情の神聖さというものを知らない。 自分の人生に神聖な思いがないからである。 社会も教育もそういうことを教えない。