他者を大事にすることができない人間、あるいはそれがどういうことかを理解できない人間は、じぶんがぐちゃぐちゃにされてよい人間、あるいは暗黙裡に、そうされてよいことを知りかつ欲している人間である。だから他者を大事にしないのであって、それはじぶんを大事にしないことの一実践なのである。そういう、不快の核であるような人間からは皆が離れてゆくのであって、じぶんはじぶんの行為の報いを受けるのにほかならないことを結局は知る者である。他に倫理や道徳を説いていて、それゆえじぶんは正しく、親切にされるのが当然と思っていたその者は。
ぼくが離れてゆく者からは、皆が離れてゆく。