初再呈示
実存的人間関係を扱うマルセルの演劇は、彼の豊饒な哲学思想の内実をどの程度反映するものかということを、彼の意に反しても問わねばならない。 演劇は、哲学的反省以前である。と同時に、哲学的覚知に基づかなければ内実を得ない。 敢えて彼の演劇を訳すという経験を、これを問うためにしたのだ。 彼の演劇は、とても彼の哲学をカバーできるどころのものではない。 彼は哲学者であるが、彼の演劇の登場人物たちは、ただの市民だ。哲学者などけっして現われない。
- テーマ:
- 自分に向って
ガブリエル・マルセルと高田博厚における
「過去=私」
(感情へ内面化された歴史)