初再呈示

 

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オネゲルの書における対話相手ベルナール・ガヴォティの文章が秀逸で、そうとうの人物である。 一部紹介: 

 

 

《職業の価値はそれを実践しているものの才能によってのみ上下がある。》 

 

《あなた(オネゲル)の音楽は寛仁で高貴です。とくに、それは偉大です。しかり、あなたは偉大を見、――それだけでもすでにたいへん美しいのだが――さらに、あなたは偉大を実現された。これはもっとずっとよろしい。あなたは、祖先を軽蔑しなくとも若くありうること、凡庸に堕さずして感動を与えうることを示された。あなたは独創的であると同時に誠実です。 ・・・ それに――あなたは高名な人物であるにもかかわらず――人をこわがらせない――あなたは必要なときにはまじめであり、機におうじてはほほえむことを心得ておられる。 ・・・ いつわりの天使たち、知らずして野獣のごときことをする彼らの最中にあって、近代の第一流の芸術家のなかに、ほかの人々と同じような一人の人間の姿をみるのは心をなぐさめます》 

 

 

《おお、人間の精神の奇跡さよ、なにかといえばすぐ絶望するようにできてるくせに、またはねかえってくる! ・・・ 才能は堅固不抜の流れといったものではない、天才でさえそうです。それには増水もあれば、枯渇期に出会うこともある。 ・・・ 一週間の労働のあとの第七日の休息に魅惑されるのは神だけです。人間には、静穏なくつろぎを味わうためには「それがよかったのをみる」だけではたりない。人間は永遠の父より欲がふかく、遅滞なく創造するのでなくては安心しない。植物よりまだ愚かなので、四季をつうじて花盛りでありたいと望む。人間は、天性、行為にかりたてられ、その行動が暗い考えをなぐさめてくれる。》

 

 

 

 

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