ぼくは、誤解されやすいというよりも、一般が理解することのできない人間なのだ。ぼくはそんな底の人間ではない。
さて、実存開明第二章「私自身」を訳したら、つづく「交わり」や「歴史性」をすぐに訳すよりも、飛んで「意志」や「自由」、第三巻「形而上学」の「昼の法則と夜への情熱」のような、ぼくの原理的問いやダイナミックな問題意識に応じる章を、関心順に訳してゆこう。そのほうがエネルギーが入る。実存開明に密に関わる章を、巻に関係なく集めるのだ。第二巻は最終的に全訳することになろうが、第三巻の数章は実存開明にとって相即的に大事である。