一昨日の7月7日に、1935年作の日本映像作品「かぐや姫」が短縮版ではあるがイギリスで発見されたことがニュースになったそうだ。およそ85年ぶりで再び日の目をみたことになる。七夕の日にかぐや姫とは偶然だろうかという気がして、年表をみると、昭和十年で、芥川賞・直木賞が創設されたり天皇機関説が禁止になったりと、文化的にも政治的にも目立つ年である。この作品は東京と京都で公開された後、紛失したそうだが、一昨日付の47秒に編集された作品紹介動画をみて、理由が推測できるような気がした。原作・竹取物語を脚色して、竹取夫婦の息子とかぐや姫が結ばれる物語となっており、紹介動画のなかにも、月の国の命令と、それに反撥するような姫の表情があって、当時の時勢と内容が重なる気がしたのである。今回のニュース化にどういう背景があるのか無いのかはともかく、現在でも、あまり政治のありかたに嫌気がさして知らぬ存ぜぬを決め込むのも、どういうものだろうか、とじぶんを反省する気にさせられたので、そのことをここに記しておく。