自分の経験こそは最も大事であり、人生の核心・実体である。しかし本がなければ、他者の経験を知り、この経験と自分の経験を照応させ、人間の経験というものを展開・深化させるということはできない。 

 

 

ツルゲーネフが、ここまでぼくの経験に添う人間経験を多量に証言しているとは、知らなかった。「自分」の経験は必ず「他」の経験に通じている。「自分」を知るかぎりでのみ「他」を知る。 

 

 

ツルゲーネフにおける哲学者と彫刻家

 

 

本への還帰となるような、本からの離反がある。

 

 

人間を経験することいがいに、人間の仕事はない。