「彼女〔ジャックリーヌ〕は、自然が作ってくれたそのままであった。結婚が自然に対する挑戦であることを知らなかった。自然に向って決闘の手袋を投げたら、自然が必ず応じることを覚悟して、こちらから求めた闘いを敢然とやらなければならぬ、ということを知らなかった。・・・ 賢明な女性は男以上に、永遠なるものについて直感力を持ってはいるが、それを確保することはむつかしい。永遠なものへの思想を一度抱くと、男はそれをおのが生によって育ててゆくが、女性はそれで自分の生を養う。それを吸収するけれども、それを創造しない。彼女の精神や心は、絶えず新しい滋養分を与えなければ、独りでは立って行かない。信仰と愛を失ったら、彼女は滅びる。――彼女がかの天の恩寵なる崇高な徳性、しずけさを受けていない限りは。」
「オリヴィエは彼の理想をけっして裏切りはしなかった。おのが怠惰や虚栄や愛の雑念に引きずられて、おのが永遠の魂を否定してしまう千、万の男のようではなかった。」
『ジャン・クリストフ』第八巻
結婚は自然に対する挑戦である。永遠なもののために。「誓わなければならぬ」アラン。
よい人間知だ。
公共の福利にも時間がかかる。
また再開ね。
ヘリコプターでね(読書という登山を途中から)。 日々、きみのところへ帰ってこれるよ。