総論 ―形而上的アンティミスムの理念 2 以上によって、愛は、行為である以前に、行為を存在論的に拘束する原理であると理解されたい(この「理解」は”解釈”ではなく、私の至った「定義」である)。アンティミテと言い絆と言うも、この行為の被拘束性という存在論的事態を示そうとするものなのである。人間の行為は本質上自由であるが、この自由が空虚でなく充実を得るための制約が与えられているということが、存在論的拘束の意味である。拘束が形而上的本質のものである場合にのみ、自由はこの制約との結びつきにおいてなお自由として考えられるのである。