先月、今年7月1日時点の基準地価が発表されました。住宅、商業地域等「全用途地域」の基準地価は、前年比で0.1%高と27年ぶりでプラスになり、土地デフレはようやく終わり、地価動向は新たな局面に入ったともいわれています。
そのうち、商業地は3年連続で上昇を続け、住宅地はマイナス0,3%だが下落幅がさらに縮小した。また、大都市圏の基準地価は全用途地域で上昇が続き、地方圏もマイナスではあるが下落幅が縮小していることが注目される。
基準地価の対象地は、約2万ケ所で公示地価の対象地(約2万5千)より少ない(重複地点は10%程度)。そのうち、3大都市圏の対象地は約3割で、公示地価での3大都市圏の対象地(約5割)より少なく、その分地方圏の対象地が多いことになる。上昇率の高い3大都市圏のウエイトが少ない基準地価が、全用途で前年比プラスになったことは、確かに注目すべきことかもしれない。
地価の上昇要因をみると、北海道の倶知安、京都の八坂神社、あるいは地方中核都市等外国人の観光需要が多いところは高い。半面、同一都市圏内でも通勤や買い物に利便性が低い住宅地等は下落するなど場所によって格差が生じているようだ。
また、地価指数は、「上昇」、「横ばい」、「下落」別に集計されていて、
上昇の多い圏域でも下落地点を相当抱えていて、平均値を下落させる要因を多く含んでいるのが実態。
地価指数は景気の遅行指数ともいわれ、約2年のラグがあるらしい。
経済成長の源である「人口」・「世帯数」は、確実に減少し始めており、
地価上昇が本物かどうかは、多方面からの分析・検討が必要と思われます。
S.S