鑑定にの偏見(5)
つまり目視だけで鑑定ができる時代があったので規範等を考える必要がなかったのかもしれない。
ここ二年の間に昭和の偽造筆跡を三件行ったが、確かに目視だけで正確に鑑定できる。
しかしデジタル技術の進歩は偽造技術が上達し、容易に目視だけでは真偽判断ができない。
これが問題である。
日本国内では先駆者といえる吉村氏や中村氏などが鑑定手法についての論文を書いている。
鑑定人は誰もこのような論文を読んでいないのではないだろうか。
科学技術は日進月歩である。つねに規範等の見直しと鑑定手法の改良をしないと冤罪や偽造者の見逃しは軽減しない。
当鑑定所は鑑定書を提出した裁判において95%以上の実質的勝訴となっている。問題は5%である。
これを減らさないと冤罪や偽造者の見逃しは減らない。