「質問」繋がりで、高校の時のエピソードについて書

こうと思います。


私が在籍していたのは、地方の進学校。


当時の東北地方では、公立の伝統高として、男子高、

女子高が、まだ残っていました。


生意気盛りの男子高校生にとって、実力がないと思わ

れる先生は、からかいの対象になってしまいます。


英語を担当なさっていたA先生も、そんな先生の一人で、

格好の標的になっていました。


私達は皆、U字工事並みに訛っていましたが、A先生は、

そんな私達を寄せ付けないほど、群を抜いて訛っていました。


それは、日本語に留まりません。英語でも、いかんなく発揮

されていました。「この単語はですな、前にアクセントがある

んです。」と説明しておきながら、いざその単語を発音すると

アクセントが後ろにある。といった具合でした。


私達は、面白がって、答えを知っているのに、わざと先生が

答えられないような難しい質問ばかり先生にぶつけました。


つまり、質問のための質問だったのです。答えを知りたいの

ではなく、先生を困らせるのが目的のような質問ばかりだった

のです。


先生はわからない時は、一切ごまかそうとせず、わからない旨

はっきり告げます。そして、次回までの自分の宿題とするので

す。先生は約束を守らなかったことは、1度もなく、授業の初めに

前回の質問に対する答えを説明してくださいました。


月曜日に書くはずだったエントリーが今日(土曜日)になってしま

った私とは、えらい違いです。


先生は、当然私たちの質問の意図が、わかっていたはずです。

それなのに、怒りもせず、悲しむそぶりもなく、焦った風もなく、

嫌がる様子もなく、毎回淡々と私たちの質問にお答えになるの

です。


先生をバカにしたり、先生に対する嘲りの気持を持っていた私達

ですが、いつしかその思いは、尊敬へと変わっていきました。


質問に対して、愚直なまでに誠実に答えること。それが教師として

最も大切なことの1つであると、A先生に教えていただいたのです。