プルシアンブルー

サガンの『悲しみよこんにちは』
を読んでいたら、主人公セシルが反発を覚える父の冷徹な恋人アンヌの瞳がプルシアンブルーだと書かれていた。

プルシアンブルーはどんな色?
響きに魅力があって気になってた。
安全地帯が好きで、玉置浩二の出演の映画『プルシアンブルーの肖像』も観に行った。
けど、どんな色?

ざっくり言ってしまえば紺色で、
どこかの団体や組織が厳密に区別してるかもしれないけど、

プルシアンは落ち着いて考えてみれば旧ドイツの国名プロシアからきており、プロシアで開発された青の顔料ということである。

イタリア産の安価なアズライトはドイツに届いておらず、ラピスラズリはアフガニスタンから海(マリン)を越えて(ウルトラ)来る(別名ウルトラマリン)ので高価だったそう。

これを中国も輸入し、余りを日本に持ち込んで、
葛飾北斎(富嶽三十六景)
歌川広重(東海道五拾三次)
などに使われた。

その青に衝撃を受けた西洋人が
北斎ブルーや広重ブルーなどと呼んだというのは面白いところ。

日本にも古来からの天然顔料、紺青(こんじょう)があり、花紺青(プルシアンブルー)と岩紺青と言い分けたらしい。

ただ花紺青はこの区別の為の利用以外は一般にコバルトガラスから作られた顔料、スマルトを指すらしいので注意。