■パリは燃えているか 
〜ジャンポールベルモント追悼〜
映画『パリは燃えているか』を観ました。



古い映画などの作品や神話は
後からの物のオマージュやパクリの元になっているのでなかなか踏み切れないものの、充実感があります。

『パリは燃えているか』はその言葉が印象に残っていました。『ルパンは燃えているか』などの言葉を先に知って、なんかカッコいい言葉と思ったと思います。

意味は「パリ、フィーバーしてる?」ではなく、
ヒトラーの言葉なんですね。

第二次世界大戦 終盤 ドイツ軍に占領されているパリを、「連合軍に取られるくらいなら燃やしてしまえ!」というヒトラーの命令だったんですね。
しかしこの命令は実行される事なく占領軍は降伏し、司令部の受話器にヒトラーの「パリは燃えているか」の声が虚しく響くだけだった。というお話です。

◆視聴参考
1.暗かったり、グロだったりはしないです。
2.長いですがユーモアも含んだ後味サッパリです。
3.想像しにくい当時の「雰囲気」が分かっていいです。
   (映画なので脚色などの影響は考慮が必要ですが)
4.若かりし日の米仏名優がまあまあ見れます。
   (アランドロン ジャンポールベルモント)




◆細かい注目点
4.前半はアランドロンが多く出てますが、後半の主人公は名もなきフランス兵達に代わって、出てきません。

ジャンポールベルモントは中盤少しだけですが、印象的なシーンを演じてます。ネタバレへ

オーソンウェルスが第三の男から随分太ってスウェーデン領事の役で始めと終わりに出てきます。
日本語吹き替えが山田康夫です。




◆時代背景的 注目点

▼ドイツ軍
は一枚岩ではなく、敗戦の空気を感じた一般兵と将校の温度差があり、親衛隊だけは将校も含め一般兵の怖れるところ。

▼レジスタンス
も一枚岩ではなかった。さぞ皆んな協力してるのかと思ったら、ドゴール派ともう一派で蜂起の先陣を争っている感じです。

▼撮影時、パリにハーケンクロイツ(鉤十字)
は許可が降りず、赤の部分を緑に塗り許可を得、
その為の白黒映画でエンディングだけカラーが見れる。

一般の自動車はどれも屋根にプロパンガスみたいなのを積んでいて、ガソリン不足も会話から分かり、代替燃料かと思えるが調べても何だか分かりませんでした。
どなたかご存知のですか?
レジスタンス含め一般人は自転車を愛用している。

▼火炎瓶 = モロトフ カクテルとも言われる
反抗の為に、火炎瓶を作る為にワイン蔵(カーヴ)のワインやシャンパンを惜しがりながら捨てる。

▼「パリは燃えているか」
のセリフはあまり目立たなかった印象。
その代わりに象徴的にノートルダムの鐘が鳴り響く。

▼敬礼の違い
フランスの警察などがドイツ兵に敬礼するシーンが何回か見られるが、フランスなどは掌を相手に見せる敬礼です。
フランスの影響があるベトナムなども掌を見せるもの
アメリカは掌が下。イギリスが複雑で海軍だけが下向きという事です。

▼フランス軍のヘルメット
レジスタンスの中に古風なヘルメットを被っている人が割と見れますが、元々のフランス軍のヘルメットです。


▼ホテル 「ル・ムーリス」
ドイツ占領軍が本部に使っていたホテル
ル・ムーリス
パラスホテル という格付けがされているようで敷居が高そうです。
ルーブル美術館の前にある公園、チュルリー公園に面しています。


◆ネタバレ
ジャンポールベルモント
レジスタンスの代表として官邸(?)を接収にビクビク訪れるのですが、重要に扱われて態度が一変する


(Wikipedia 参照)