8年振りに深い関係になった日、
彼は私にこう告げた。
ずっとこうなりたかった。
ずっと忘れられなかった…。
8年間、ずっと思い続けていた訳じゃないけど
いつも思い出してた。と…。
私も同じだよ。
ずっとこうなる事を望んでた。
でも、また8年前みたいになるのが怖くて
なかなか踏み込めなかった。
手を繋いだり、キスをしたり、
そのくらいなら後戻りが出来る。
そう簡単に考えていた。
でも、私の気持ちは強くなるばかりで
いつも彼を求めていた。
約束の日。
この日もお決まりのくら寿司へ行った。
1時間ちょっとくら寿司で食事をし、
いつもの流れなら
このままカラオケに行くはずだった。
この後どうする?
と言われたので、
カラオケくらいしか行くとこないよね?
と答えたが、彼はうんと言わなかった。
いつもなら、じゃあ行こっか!
と言うのに…
私はしばらく考えて、
ホテル行く?
と勇気を出して言ってみた。
うん。行こっか!
彼の返事はあっさりとしていた。
男から誘わないなんて、卑怯だ!
そう言われてもおかしくないが、
私は彼の性格をわかっているせいか、
全く嫌な気持ちにはならない。
むしろ今までもきっと彼なりの
アピールはしてくれていたなと思った。
ホテルに着いて、
彼はすぐにシャワーを浴びるために
服を脱いだ。
一緒に入る?と言われたけど、
付き合っていた頃から
だいぶ太ってしまったので
恥ずかしくて断ってしまった。
お互いシャワーを浴び、
ベッドに並んで座る。
あの頃もこんな感じだったなー。
と8年前、一番最初に関係を持った日を
思い出した。
彼は隣にいる私の方を向き、
いつもとは違うちょっと激しめのキスをした。
そのまま私はベッドに横たわり
私達は8年振りに結ばれた。
8年振りに受け入れる彼は
あの頃と何も変わっていなかった。
温もりも優しさもあの時のまま。
私、夢でも見てるのかな?
こんな幸せな事ある?
もしもこれが夢ならば、
覚めないで欲しいと心から思った。
いつも私達は時間がタイトだ。
この日もゆっくりなんてしている暇は無く、
余韻に浸るような時間も無かった。
でも、それでも1分でも1秒でも長く居たい。
お互いの時間のギリギリまで一緒に居た。
そしてまた現実へ戻る…
でも、明らかに昨日までの関係とは違う。
人はこの関係を本気じゃないとか
言うかもしれない。
所詮不倫と思われるかもしれない。
傍から見たらきっとそうだ。
別にそう思われたって構わない。
彼の気持ちも私の気持ちも、
私達だけの間にしかわからないもの。
8年と言う月日を経ても、
変わらずにあったお互いの気持ちは、
私達だけにしか感じ取る事が出来ない。
どんな気持ちでこの8年を過ごしていたか、
私が別れを告げたあと、
どんな風に過ごしていたか。
再会して初めて知る事実は、
もうどうにも出来ないはずなのに、
私に大きな後悔と罪悪感を与えた。
こんな愛し方しか出来なくてごめんね…
私はずっとそう思っていたけれど、
一生懸命で、不器用で、
駆け引きなんて一切出来ずに、
自分の気持ちをただただ真っ直ぐに伝える。
そんな愛し方しか出来なかった私を、
彼は愛おしいと思っていてくれた事に
この日、初めて気付かされた。