体毛が全て抜け落ちる衝撃

僕は小学2年の時に脱毛症になった。原因は水疱瘡の潜伏期間中にアレルギーが発症したからじゃないかって。

小2のくせに、髪を1cm以上切られると泣き叫ぶくらいに髪の毛へのこだわりが強い子供だった。だから、あの衝撃は忘れられない。

人生においての2番目の衝撃は、駆け込み乗車で顔を2回挟まれた人が平気な顔で乗ってきた時のことだから衝撃の大きさは伝わるはず(伝われ)。

それほどまで髪の毛にこだわりを持つような人間がそれを失った瞬間の心情は察しがつく。もう学校に行くことはもうないと思ったけど、クラスメイト全員分の手紙をもらった。本当にたまらなく嬉しかった。もちろん、不安が消えることはなかったけど単純な僕を学校に向かわせるには十分だった。

いじめられることを覚悟しながら帽子をかぶって学校に行った。
するとどうだろう。誰一人変わらない接し方で迎えてくれる。


事情を知らない別クラスや他学年の子供にからかわれることもあったが、周りの友人が助けてくれていた。でも、次の日には自分を傷つけた子も一緒に遊んでいたのは今となってはすごく不思議だ。


 

僕を好きだと言ってくれた人はただの女神だった

月日は流れ、そんな僕も大学生になった。大学になっても脱毛症を克服することはできず、四六時中帽子をかぶっていた。でも、そんな僕でも好きといってくれる人ができた。

すごく嬉しかったのだが、十分に彼女のことを知らなかったのでお断りした。もう大学生ということもあり付き合うなら結婚がしたいと思っていたから。本当に好きでもないのに付き合うのは相手にとって失礼な気がした。

それでも彼女とは、時々一緒に遊んでいた。一緒にいればいるほど、すごくいい子で優しい子だった。そんな彼女に自分でも気がつかないうちに惹かれていった。

そして日が経つにつれ、『この人とずっと一緒にいられたら』その思いが芽生えてきた。それからその想いは強くなる一方だったから、想いを伝えようと決めた。

簡単なことだ。相手はもしかしたら今でも僕を好いてくれているかもしれない相手。今も遊んでくれているってことは嫌われてはいないだろう。
余裕だ。堂々と『好きです。付き合ってください!』と言えばいい。

『ツ、ツ、ツキアウ?』

いや本当に情けない。もう、本当に情けない。
でも、そんな僕の告白を泣いて喜んでくれた彼女は女神に違いない。


余談:最近、「あの時の告白はない」と言ってきた。僕はうっすら見えた彼女の背中の黒い羽を見て見ぬふりしている。


 

誰にでもコンプレックスや悩みはある

さあ、彼女ができた。でも、一つ問題がある。

正解は帽子の中にある。そう、僕は帽子の中にあるべきものがないのだ。
彼女にはまだ脱毛症の話をしたことも、もちろん帽子をとった姿も見せたことはなかった。

普通に遊ぶ分には帽子を取る必要はないのだが、付き合っていれば家に泊まることも出てくる。その日は珍しく大雪が降った。車で家に来ていた彼女は帰れず、お家に泊まることに。

ずっと帽子をかぶっているわけにもいかず、どこかで決心が必要だった。風呂に入りリビングに行く時、意を決してありのままの自分でいった。
もし嫌われたら、その時はその時だと。そんな僕を少し見た彼女が一言。


「あら」

あれ、うん。いや、引かれたりしたら嫌だけどそれだけ?
実は彼女は脱毛症という存在も知っていたし、僕がそれだということもわかっていたらしい。それもわかっている上で好きになったんだと。

本当に彼女はすごい人だと思った。こんな僕を受け入れてくれた。
これまで以上に彼女のことが愛おしくなった。


そして、彼女にも人には言えない秘密があることを泣きながら打ち明けてくれた。脱毛症とは違い、見た目に関する悩みではない、恥ずかしい病気なんだと。小学校の頃はそのことでいじめられたこともあるらしい。
(彼女のプライバシーを尊重して病名は伏せさせてもらいます。)

それを打ち明けられた僕の反応は

「ふーん、そっか」

同じような反応をしてしまった。確かに、恥ずかしい悩みだという理由や、人には絶対に言えないのはわかるし、辛いのはわかるんだけど
それでも、僕は本当に気にならなかった。命に関わる病気でもないから、一緒にいられると思って安心したくらいだった。

僕は彼女の悩み(病気)を受け入れられる。そして彼女は僕の脱毛症という最大のコンプレックスを含め自分を好きになってくれた。
それがわかった時、『やっぱり自分は最期の一瞬までこの人と一緒にいたい』そう思えた。



 

月日は流れ、2022年現在、僕はマッチングアプリを開発中。
マッチングアプリを作るに至った経緯や目指している世界を発信します!
次回は『(2)今のマッチングサービスで僕はあなたと出会えただろうか
お楽しみに!

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