クマの散歩道 Vol. 330 クマ、おいしい煎茶を求めて〜浅蒸し茶と深蒸し茶の違いを考察。 | クマの散歩道~大好きなふるさと日光市を紹介するブログです~

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皆様こんにちは。

これは煎茶のお話です。

うちの近くのお茶屋さんが、火事になって、うちの母親より年上なのにシャカリキとしていて、絶対100歳まで生きて欲しかった奥さんが、一酸化炭素中毒で亡くなられました。かれこれ一年位になると思います。

ご主人はたまたまお風呂に入っていて有毒ガスを吸わずに済みました。それでもご主人も最近車椅子になられていたので、奥さんが亡くなられたあとは、商売を止めて、近くに住む息子さんの家に入ったみたいです。 

それで茶葉をどこで買おうと考えました。

スーパーでは色々な茶葉を売っているけど、前から、お茶屋さんで買い忘れた時などに、たまに買っていたのですが、どうしてもお茶屋さんで買うのと同じ値段1,000円 / 100gの物を買っても、出るお茶はおいしくないという経験がありました。 だからスーパーのお茶を買うという選択肢は僕の中にはありませんでした。

うちの近くもそうなのですが、昔はお茶屋さんがあちこちにあったのに、みんな商売を止めてしまって数が少なくなりました。

これはきっとスーパーが発達したのと、葬儀を自宅でやらなくなって、旧来はお茶屋さんが引き出物としてお茶を用意していたものを、全て葬祭会館が担うようになってしまったから、商売が成り立たないことが原因なのでしょうね。ハリカなどのギフトショップがなくなったのも同じ理由かと思います。 

そんなふうにお茶屋さんがなくなってしまった今。思いつくところでは、大型スーパーIの一階にあるお茶屋さん。うちの近所ではそれしかないので、最近はいつもここで茶葉を買うようになりました。 

でもここのお茶屋さんでは、僕が気に入る茶葉がないのです。味は別として、急須に詰まらない茶葉がないのです。

この間スタッフの人に聞いたら、僕が要求している針のように煎られた茶葉はどんな物なのか説明出来る人がいません。確かによく他のお客様から、投げると刺さるようなお茶と言われることがあるとは言っていました。まあ実際茶葉が刺さるほど固くも鋭くもないからそんなことはあり得ないこととしても、形が細いという意味ではそんな物です。

ここだと、僕が普段使いに使いたい価格の1,000円 / 100g位のお茶を買っても、急須で茶葉が詰まるのです。 今まで2種類の茶葉を試してみましたが、詰まることは変わりませんでした。

針のような茶葉。これは僕の考えでは、手揉み茶、丁寧にこよりを作るかのように、手で茶葉を転がすように煎っているものだと思いました。 

ところがそうではなかったのです。結論から書くと、僕が欲しいと思うような茶葉は、浅蒸し茶なのだということがわかったのです。

浅蒸し茶と深蒸し茶の違いは、このサイトなど 

 浅むし茶とは?深むし茶とは? ―「浅蒸し茶」と「深蒸し茶」の違い ― – 製茶問屋|株式会社静岡茶園 


を見るとわかるように、浅蒸し茶が昔ながらの茶葉製法で、茶葉を30秒位蒸すのだそうです。一方の深蒸し茶は1分30秒など長く蒸すものなのだそうです。 


そうすると浅蒸し茶の場合は、茎なども少し残って、葉の部分も葉の形を残したままになるそうです。上の写真が実際うちで今回使った浅蒸し茶の茶葉です。

お茶として淹れた時の色は黄色い淡色になります。味は渋めですっきりした味わいに。 

こちらは、今まで使っていた深蒸し茶の茶葉です。これは深蒸し茶と謳って販売されていた物なのですが、その前には特に深蒸し茶と謳ってない茶葉を使っていました。それも形状は同じような感じでした。

深し茶は、蒸し時間を長くしたことで茶葉が砕けやすくなり、それを煎ると、粉茶ほどではなくとも、細かく砕けた茶葉がかなり混じるのだそうです。

お茶を淹れた時は、濃く底が見えないような色になり、味はまろやかになるのだそうです。 

茶の葉というのは、どうしても日当たりの良い所で生育すると、葉が固くなり、苦みや渋みが出やすくなるそうです。

昔は蒸す時間の短い茶の製法が当たり前だったものを、渋みを抑えてまろやかに仕上げるには、蒸し時間を長くすれば良いということがわかって、それからというものは、特に静岡では、深蒸し茶が主流になったのだそうです。 

浅蒸し茶と深蒸し茶にはそういう違いがあったのです。確かに今行っているお茶屋さんで買う茶葉は、深蒸し茶と謳っていなくても、全てが深蒸し茶のようで、ここで買った茶葉は、急須に詰まります。

急須を何度も回すように振るったり、手首を捻って返すように上下させたりして、やっとのことで湯呑み茶碗に注ぎ分けると、濃い緑色で底も見えなく、細かい茶葉がお湯の中にたくさん混じっているお茶になります。ただそれだけ色が濃くても、余り苦くはありません。そんなお茶なのです。 

茶葉が余りにも詰まるので、急須の中に、茶濾しを入れて、要は網目が二重になったら出が良くなるのかと思って試してみたましたが、逆効果で余計に詰まって出なくなりました。

考えてみると網目に詰まる茶葉が、二重に詰まるわけですから、余計に出にくくなるのは至極当然の道理だと言えるのでしょう。

今回、浅蒸し茶が僕が探していた、針のような茶葉、実際は針のようなという表現より、葉っぱの形が残った茶葉ということなのですが、その茶葉だということを知り、ネットで浅蒸し茶を取り寄せてみました。 

それを早速、今朝入れてみました。

この写真は、上でリンクを張ったサイトからお借りした写真ですが、これだけ色の違いがあります。右が深蒸し茶です。

急須には詰まらず、やや冷ましたお湯を入れて、1分位、茶葉が開くまで待たないと、色も味もないお茶が出る。これだ!と思いました。


僕の探していたのは、浅蒸し茶だったのだとわかったのです。 

でも、味はうちの近くの閉店したお茶屋さんで買ったようなお茶とは全然違います。

適度な苦みがあり、お茶の色は黄色ではなく緑色に出ます。飲むとおいしくて、決して大袈裟な話でなく、日本人で良かったとほっとするような味。あの味ではありません。スーパーで買う時のお茶と同じで余りおいしくありません。

閉店したお茶屋さんでは、特にこちらから要望しなくても、いつものお茶くださいというだけで、うちは1,000円のこのお茶だとわかってくれていて、それが浅蒸し茶という説明はなくても、最高においしいお茶の出る茶葉を提供してくれていたのだなと、改めて感謝します。

なかなかこちらのお店のような茶葉には、ほかのお茶屋さんでもスーパーでも、今だに当たっておりません。 

ただ、そのお店でも、自分の所で生茶葉から、煎る作業をしていたわけではなく、茶葉問屋から仕入れていたのでしょうから、浅蒸し茶なのだということさえわかれば、色々な茶葉を試していれば、いつかは同じ茶葉か、似たような味になる茶葉に出会える確率は高まったわけです。 

このお茶屋さんでは、日光市のKという地区に住んでいる、親戚のお姉さんがお手伝いしていて、店主さんや奥さんが歳を取ってからは、発注から販売まで、実際の店の切り盛りは、このお姉さんがしていたようなので、そのお姉さんに街中で会えたら(僕の家の場所も知っているし、お子様の関係で街中によくいるようなので)、どこから仕入れている何という茶葉なのか聞けるかもしれないなあと思ってみたりもしています。

今の時代は茶葉もネット通販で買える時代です。業者さんによっては、普通郵便とかメール便などで送料無料で送ってくれる所もあります。またある程度まとめて買うと送料サービスという場合もあります。こうしてネットでばかり物を買っていると、街中の書店がどんどん閉店しているように、お茶屋さんもどんどん閉店してしまいますが、少なくともうちの周りには要望するような茶葉が手に入れられるお茶屋さんがなくなってしまったからには、ネット通販で取り寄せ、自分の好みの茶葉を見つけられたらいいなと思います。

浅蒸し茶と深蒸し茶。この違い。おいしい好みのお茶を飲むために、とても重要な知識だと思いましたので、ブログで書いてみました。

ネットで調べながら書いたことなので、「〜そうです」という伝聞調の文節が多くなっていますが、僕が悩み迷った末にわかったことなので、同じような悩みを抱えている方の参考に少しでもなったらうれしいなあ。





(取材日 : 2025. 8. 21)