パパとママと3人でお出かけした帰り道、

私はパパにおんぶしてもらっていた。

 

急に口の中に酸っぱいものが

込み上げてきてパパの背中で吐いてしまった。

 

パパのえんじ色の毛織のジャンパーを吐いたもので汚しちゃった。

 

直前に食べたソフトクリームだ。

 

ママから聞いた話。

 

一晩中ゲーゲー吐いて、みるみる骨と皮になったって(そんなバカな^^;)。

食べられないからしばらく点滴のみで生きるか死ぬかの瀬戸際まで行って

東大病院に20日間入院したって。

 

 

私が覚えていること。

 

ベッドの上にモザイク描写のような大きな花の絵があって、

それはきれいで気に入っていた。

 

同じくらいの小さな子が何人かいて、後半、元気になってきた頃、

お友達になったりしたので小児病棟だったのかも知れない。

 

緑色のペースト状の変な甘い薬がなんだか痰みたいで

いやだなあと思った。

 

パパがどんな風だったのか覚えていない。

 

ママはいつも通りあっけらかんとしていた。

 

心配して悲しそうだったとか抱きしめてくれたとかの

記憶はパパにもママにもない。

物語の中のパパやママならとても心配して

きっとつきっきりで看病してくれるのだろう。

 

「あんたは神経質だから」

「生クリームのソフトクリームが悪かったんだよ」

ママから言われ、それ以来、私は神経質なんだと思った。特に悲しくもなかった。

そして13歳くらいまではソフトクリームは食べなかった。

 

今冷静に聞くと生クリームじゃないソフトクリームなんてないよね。

 

 

*自家中毒(周期性嘔吐症)とは、普段元気な子どもが突然何回も吐く症状が数日続き、また元気になることを繰り返す病気です。原因としては、風邪や疲労・過度の緊張、寝不足、空腹、食べ過ぎ、遊び過ぎ、チョコレートやチーズのとり過ぎなどが考えられます。体脂肪の分解によって血液中にアセトン(ケトン体)が増え過ぎることでさまざまな症状が生じます。AIより