keylimeri1983のブログ

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「ハゲー!ハゲー!ツルッパゲー!ぎゃははは!」 ある日、友達が頭の毛を剃ってきた。 それがおもしろくて、おかしくて、思い切り笑った。 友達は泣きだした。 でも、その泣き顔がまたおかしくて、笑えた。 ただ、それだけだった。 ボクは、毎日のようにお父さんに叩かれてて とても痛くて、ムシャクシャしてるけど、 友達のことを笑ったときには、 『特別な想い』とか、『感情』とか、『悪意』とか そんなものはなかった。 こんなボクだけど、ボクが生まれた日には お父さんも、お母さんも、とても喜んでくれたんだ。 息子を殴った。 今日だけじゃない。いつものことだ。 もちろん、本気じゃない。加減はしている。 息子の楽しそうな笑い声に、 イラっとした。ムカっときた。 ただ、それだけだ。 そこに『教育』だとか、『憎しみ』だとか、 そんな複雑なモノは、そこにはなかった。 これが『当たり前』だと思っているから。 こんな俺だけど、俺が生まれた日には、 母親が泣いて喜んでくれたんだ。 親父はいなかったけど・・・。 息子を罵った。 息子が『憎い』わけじゃない。 ただ、なんとなく・・・どことなく・・・ 私を捨てた『あの人』に顔が似ているからイライラする。 「あんたなんか産まなきゃよかった!」 いつも言ってしまう・・・もちろん『本心』じゃない。 今まで息子がそばにいてくれたから、 私は今日までがんばってこれたんだ。 ただ、この日、私は機嫌が悪かった。 ただ、今までのイライラが溜まっていた。 ただ、それだけだった。 こんな私だけど、私が生まれた日には、 お父さんも、お母さんも、そして大勢のお兄ちゃんやお姉ちゃんたちも みんな笑って、私をこの世に迎えてくれたんだ。 妹を階段から突き飛ばした。 幸い、妹は頭にタンコブを作っただけで済んだ。 もちろん、半分は『本気』じゃなかった。 両親にひどく怒られた。 理由を聞いてくれなかった。 理由を聞かれれば、こう答えたかった。 「妹ばかり抱っこしてもらえて、俺がおもしろくないから・・・」 ただ、それだけだ。 そこに『怨念』だとか、『憎悪』だとか、 そんなものは存在しなかった。 その証拠に、妹が無事だと分かって、俺は安心して泣き出したんだ。 お父さんに殴られたから泣いたんじゃない。 こんな俺でも、生まれときは、 お父さんも、お母さんも、そして大勢のお兄ちゃんやお姉ちゃんたちも みんな笑って、俺をこの世に迎えてくれたんだ。 「ふざんじゃないわよ! アンタはお金を稼いでこればいいのよ! なに、浮気してんのよ!」 ダンナが『浮気』してた。 ダンナへの『愛』は、とっくに冷めていた。 いつだったか、子供に手をあげていたのを見てから・・・ なんだろ・・・裏切られた気がした。 この人は子供にそんなことする人じゃないって、 アタシが思い込んでいた。でも、違った。 たったそれだけだったけど、『愛』が冷めるには十分だった。 でも、アタシはもっと子供が欲しかった。だからダンナに体を許した。 おかげで、たくさんの『子宝』に恵まれた。 あとは、ダンナがアタシたちを養ってくれればそれでよかった。 暮らしていける『お金』があれば、それでいい・・・と思っていた。 ダンナの『浮気』を知って、 まだ自分の中にダンナへの『愛』が残ってることに気づいた。 でも、もう遅かった。『浮気』で完全に冷めてしまった。 子供のためにもダンナの存在は良くない。縁を切ろう。 でも、慰謝料と養育費だけはキッチリもらおう。 こんなアタシでも、生まれたときは、 お父ちゃんとお母ちゃんが、泣いて喜んでくれたんだ。 幸せになれるようにって『幸』って名前をつけてくれたんだ。 妻に離婚届を突きつけられた。 理由は、俺の『浮気』だ。 バレないようにしていたけど、バレてしまった。 たくさんのガキがデキたから、 妻とは、なかなか夫婦の営みが出来ない。 俺にとって『浮気』は、単なる『息抜き』であり、『癒し』だった。 半分だけ『本気』だった。 ただ、『ため息』を吐き出す場所が欲しかった。 そこに『愛』・・・を求めていなかったと言えば嘘になるかもしれない。 妻に愛想が尽きたとか、ガキの面倒見るのがメンドくさいだとか、 それも気持ちの半分だけある。 もう半分は・・・家族が愛しい。 だからバレないようにしていたわけで、これも『本心』なんだ。 こんな俺だけど、俺が生まれたころは、 お義父さんやお義母さんが、とても喜んでくれたんだ。 本当の両親は事故で亡くなっていたけど。 浮気相手に『別れ』を告げられた。 奥さんに『浮気』がバレたらしい。 相手は家庭持ち。しかも子沢山。 もし、アッチと別れて、コッチに求婚されたら たまったものじゃない。 コッチはコッチで、ダンナがいる。しかも医者だ。 だから、『別れ』は、願ってもない展開だった。 ただ、相手がかわいそうだったから付き合ってあげただけ。 ただ・・・私も寂しくて、欲求不満だったから付き合っただけ。 そこに愛なんてものはない。 ダンナとは、結婚後、数回しか顔を合わせていない。 親同士が勝手に進めてくれた結婚。 玉の輿ではあるが、すれ違いの毎日。 同じ家に住みながら別居している状態。 医者がこんなに忙しい職業だとは思わなかった。 浮気相手は、私の都合に合わせてくれる。それだけの存在だった。 ・・・また別の人を探せばいい。 こんな私だけど、私が生まれたときは、 両親とも泣いて喜んでくれた。 そして、すごく甘えさせてくれたんだ。 患者に『余命』を宣告した。 これが私の『義務』だから。 そこには、『慈悲』だとか、『愛』だとか、『情け』だとか、 存在していない。いや、存在しちゃいけない。 そんなものを持ってしまうと・・・ とてもじゃないが、医者としての仕事が全うできない。 「ヒトデナシ」、「アクマ」、「ナンタラカンタラ」・・・ 家族たちは、そんな決めセリフを私に吐き捨てる。 そして、「どうにかしろ」と私に要求する。 私は、もう何十年もろくに睡眠をとっていない。 すべて仮眠だ。妻の顔もろくに見ていない。 その上で、私に、「どうにかしろ」と? ・・・イライラする。 どうにかしたい『命』を目の前にして、 医者なのに、どうにもできない自分に、何度も失望してきた。 ・・・もう、たくさんだ。今にも心が折れそうになる。 私は、医者には向いていない気がする。 でも、私が医者でいると、父親が喜ぶのだ。 こんな私だが、私が生まれたときには、 両親がとても喜んでくれていた。 医者だった父親が跡継ぎを欲していたから。 昨日、ボクは、頭の髪の毛をすべて剃られてしまった。 恥ずかしいから「ヤメテ」って、泣いて頼んだのに、 両親は、妙にニコニコしながら、ボクの髪の毛を剃ったんだ。 妙にニコニコしてるのは、無理やり笑おうとしてるときだって、 ボク、知ってるんだ。 剃った理由は、ボクに話してくれなかったけど、 お父さんとお母さんの会話で、ボクはすでに知ってるんだ。 ボクは、もうすぐ、みんなに「さよなら」しなきゃいけないって。 そのことを、友達に話そうとしたら、 丸坊主のボクの頭を見て笑われた・・・。 ボクは・・・なぜか分からないけど泣いてしまったんだ。 だって、もうすぐ、この友達の笑い声を聞けなくなるから。 友達の笑顔を見ることができなくなるから。 うん・・・どうやらボクは、 恥ずかしくて、情けなくて、悔しくて、泣いてるんじゃないみたいだ。 ボクは・・・やっぱり『寂しい』から泣いてるんだ。 うん・・・やっぱり、ちゃんと言おう。 丸坊主の頭を笑われたことよりも、 「さよなら」が寂しいから、泣いてるんだってことを。 こんなボクだけど、7年前にボクが生まれたときには、 お父さんもお母さんも、親戚のおじさんも、おばさんも、 近所のおじいちゃんも、おばあちゃんも、 みんな、みんな、喜んで祝ってくれたんだ。 おしまい。 ○●○●○●○●○●○●○●○●○●○● 「自分のルールがあるように、他人にもルールがある。 壊すことなく、壊されることなく、共に生きよう。」 by 自由人・高橋歩 「みんな違って、みんないい」 by 詩人・金子みすず 「私は、「人には悪意はない」という【前提】で生きている。 」 by KATA YOGA のとも@にゃ 「この世界には、『小さな子供』と『大きな子供』しかいない。 」 by 大五郎 ※この絵空事は、すべてフィクションです。 登場する人物、名称、建造物や出来事など すべて大五郎の妄想です。作り話です。 ご了承ください。 →その他の大五郎の絵空事集 "応援クリック!"  ↑ 「みんなそれぞれに自分ルールがある!」と「ことりーず」。 なにを「前提」にして生きているか、それによって 人それぞれの受け取り方がある絵空事が完成したと思います。 ---- ----- ----- ----- ----- ----- ----- ----- ----- オチつき大五郎え日記 ...