クラブの空間は次のような仕組みによって、自らの敷居の高さを高くし、空間の排他性を実現しています。


一つは貨幣を媒介とすることで作りあげられた障壁です。


誰もが知っているようにクラブとは非常にお金がかかる場所です。


座っただけでウン万円というシステムは、必然的にお客を選択し、空間を排他的にしています。


第一の障壁を強化補完するために、第二の建築的空間的障壁が設けられます。


建築的障壁とは・・・


つまりクラブへのアプローチの空間的難解さと言い換えてもいいでしょう。


そこには、商業空間をデザインする際の一般原則であるわかりやすいアプローチとか、はっきりとした表示といったものは、まったく意図されていません。


むしろ逆にアプローチの難解さ、迷路性のほうが好まれ、わざわざ難解さや迷路性が空間的に実現されています。


このようなクラブの空間性を参考に注文住宅を建てる方もいるようです。



注文住宅は日常的であり、あたり前の話ですが家庭的であり、飾りのない空間であると、少なくとも一般には考えられています。


・・・一方、クラブとは非日常的で、反家庭的であることになっています。


ではなぜクラブ派において、クラブの空間が住宅にコピーされるのでしょうか。


一見住宅とは対極的な性格の空間が、住宅の中にコピーされなければならないのでしょうか。


・・・ここで、象徴作用を持ち出してこなければなりません。


クラブの空間は、ある何物かを象徴させることを目的として住宅の中でコピーされます。


ではその何物とは何でしょうか。


それは空間の排他性です。


あるいは空間の敷居の高さと言い換えてもいいでしょう。


入りにくさと言ってもいいでしょう。

「美しい部屋」の読者(それは大部分女性であるに違いないでしょう)は、これを視覚的なメディアとして読んでいるのではなくて、文学的なメディアとして読んでいます。


リフォームの実例とはつまり読者から寄せられた「私小説」です。


その中で表現されているのは、それぞれの「作者」の確かで力強い生活に対する処し方なのです。


建売住宅派という「場所」を規定しているのは、実は「美しい部屋」に代表されるような、文学的なメディアでした。


文学的メディアによって規定される空間もありえるということを、「美しい部屋」は教えてくれます。


そしてその「場所」では、マッキントッシュの椅子の代わりに粘り強く現実的な生活への処し方が最も価値があると見なされているのです。


さて、銀座のクラブのようなスタイルをした住宅を、クラブ派と呼びます。


クラブと注文住宅は、一見何の関わりもなく、むしろ対極的な性格をした空間であるとも感じられます。




リフォームの実例は、例えばこんなタイトルで紹介されています。


「押入れの変身が、模様がえ成功のポイントでした。


収納を解決したら部屋づくりが楽しくって楽しくって!佐賀県佐藤さん宅」


「手作りの苦手な私が、模様がえで頼りにするのが皮肉なことに手作り小物、コーディネートに知恵をしぼってこの出来栄えです。山口県山田さん宅」


「問題ありの壁紙。


はりかえるかそれとも小物で飾るか、わが家の選んだ道は後者でした。東京都鈴木さん宅」


・・・この種の読者の体験談が、グラビアとともに紹介されています。


岐阜 注文住宅を建てようと思っている方にも、参考になさっている方は多いのではないでしょうか。


しかしグラビアとは言っても、このタイトルからおおよそ察しがつくように、決して魅力のあるものではありません。


他のインテリア雑誌や建築雑誌の「シャレた」グラビアとは比較になりません。


アーキテクト派ならば驚いて飛びあがってしまいそうなグラビアです。


しかしそんなことは、「美しい部屋」の読者にとってはどうでもいいことなのです。


そうでなければ20万部という、インテリア雑誌で段トツの発行部数を説明することはできません。




霞のように実体のないものと思われていたメディア・・・


これらが、実は住宅のスタイルという極めてリアルなものを規定しているという、この転倒した構造を表現するには、戯画と誇張が最も有効な手段なのです。


文学的メディアが規定する場所建売派に戻りましょう。


建売派にはメディアがないと言いました。


それは展示場派のパンフレットに相当するような、住宅の販売の武器として使われるメディアがないということです。


建売派にもメディアはあります。


「美しい部屋」に代表されるようなある種のインテリア雑誌が、建売派のメディアです。


これらは注文住宅を建てようと思っている方にも大変参考になるものでしょう。


「美しい部屋」が他のインテリア雑誌と異なるのは、読者の手による住宅リフォームの実例が、全体の中で大きなパーセンテージを占めているということです。

はじめまして。


今日からここで、住宅に関するブログをはじめます。


これから注文住宅を建てることを考えている方、家の空間づくりを大切にしている方などに楽しんでいってもらえるように、わたしの意見や経験談が参考にしてもらえるように頑張ります。


どうぞよろしくお願いします。


さて、まずは住宅のスタイルにおける構造について述べていきたいと思います。


構造とは・・・


つまり、ある集団はある固有のメディアを持っていて、そのメディアが「場所」=象徴作用のコード(約束事)を規定し、その「場所」のしきたりに基づいてその集団の住宅のスタイルが決定されるという構造です。


アーキテクト派という集団において、そのメディアは建築雑誌でした。


ハビタ派という集団を規定していたメディアは、ハビタ等のインテリア産業が発信する膨大な量のコマーシャル(ある場合は映像であり・・・


ある場合は写真)であり、そしてそれらのインテリア産業を主な広告主として成立しているインテリア雑誌群です。