収穫。
悔しいというよりは恥ずかしかった。
恥ずかしくて顔を上げられなかった。
それまで気軽に言葉を交わしていたプレーヤー達にさえも顔を向けられなかった。
自分がステージで創った3分間、その出来上がったモノは、それまでイメージしていたものと全く違うものだった。
なにが「優勝する」だよ。
なに他の選手に「頑張ろうぜ」とか言っちゃってんだよ。
なに「あんまり緊張してないなぁ」とか言っちゃってんだよ。
恥ずかしい、こんな演奏しかできなかったくせに。
全然キメれてないじゃん。練習の半分も出せてないじゃん。
全然会場もノッてないじゃん。全然俺もノレてないじゃん。
全然・・・。
いや、それも含めて、この状態が今の俺の実力なんだな。
つまり・・・。
ステージの脇で誰とも目が合わないようにうつむいてディジュをケースにしまい、そっと外に出た。
名前もわからないビールを流し込んで、少したってから冷静さを取り戻した。
何がいけなかったのかを、なぜ上手くいかなかったのかを捉えようと思った。
一番わかりやすいのは上手くいっている選手と自分の演奏を客観的に比べることだ。
会場に戻らなきゃ。
会場に戻るとバトルはまだまだ続いていた。
続々と会場を沸かす選手たち。
同じ条件、同じ楽器なはずなのに奏者によって明らかにお客さんの反応が違う。
注意深くよく見て、聞いた。何が違うのか、何が今の自分に足りていないのか。
やがて予選が終わり、少しのブレイクの後で本選出場者8名が発表された。
「もしかしたら・・・」なんて淡すぎる期待をもってスクリーンの発表を見にいったが、案の定そこに自分の名前はなく。やっぱりすこしガッカリした。
本選バトルは凄いの一言。
自分が持っていないものを、引き出しから次ぎ次に出して演奏する選手達。
本選1分半×2のバトル中、引き出しが空になることなく次々と魅せてくる。
もはや、あきらかに技術で自分よりはるか上のクラス。
自分びいきに評価したとしても今の自分の実力は彼らより低いことは明らかだった。
もう8名ともどの選手が優勝してもおかしくないレベルで、審査員たちもジャッジを迷うシーンも多々。
実力が拮抗している状態で、そこから先はそれぞれのキャラクターやパーソナリティが勝負を左右しているようだった。
決勝に進むと会場のボルテージは最高潮。
お客さんも興奮して吼えている。
ステージの脇では敗退した選手達もお互いを尊敬して称え合っている。
負けを認め、実力不足を受け入れた自分も、選手達の輪に入り一緒に決勝を応援した。
もう予選敗退者も本選出場者も関係なかった。
あの孤独なステージでプレッシャーと向き合いながら自分を精一杯出した同じ選手達。
なにか不思議な連帯感が生まれていた。
皆一緒になって最後の決勝バトルを見守った。
優勝者はフランスのKID。
文句ない優勝だった。素晴らしいスキルとパフォーマンス。
トラディショナルとコンテンポラリを上手く使い、オリジナルな音も組み入れダイナミックに物語を創っていた。
対戦相手も素晴らしい演奏技術だったけど、音の大きさやダイナミックさでKIDのほうが目立っていた。
それでも会場も敗退選手も皆で二人を祝福した。自分も彼らを心から祝福することができた。それほどまでに素晴らしい決勝バトルだったし、素晴らしい優勝の演奏だった。
書き表せないくらい素晴らしいイベントだった。
選手、オーガナイザー、お客さんの間に尊敬と配慮と感謝があり、互いの良いもの(経験やスキル)をシェアしあい、そして新しい発見があり、新しい出会いがあった。
イベントが終わったあとも明け方近くまで語りあい、飲み、笑い。。。
素晴らしい時間を過ごせて感謝。
このイベントを立ち上げたGrenobleのクルーに尊敬と感謝。
選手達に尊敬と感謝。盛り上げたお客さんに尊敬と感謝。
そして快く行かせてくれた相方に尊敬と感謝。
ありがとうございました。
素晴らしく多くの収穫があった。
何が足りないのか、何をすべきなのかを発見できる貴重な貴重な体験だった。
足りなかったものを補って、得意なところはもっと伸ばしていこう。
来年も挑戦する。
恥ずかしくて顔を上げられなかった。
それまで気軽に言葉を交わしていたプレーヤー達にさえも顔を向けられなかった。
自分がステージで創った3分間、その出来上がったモノは、それまでイメージしていたものと全く違うものだった。
なにが「優勝する」だよ。
なに他の選手に「頑張ろうぜ」とか言っちゃってんだよ。
なに「あんまり緊張してないなぁ」とか言っちゃってんだよ。
恥ずかしい、こんな演奏しかできなかったくせに。
全然キメれてないじゃん。練習の半分も出せてないじゃん。
全然会場もノッてないじゃん。全然俺もノレてないじゃん。
全然・・・。
いや、それも含めて、この状態が今の俺の実力なんだな。
つまり・・・。
ステージの脇で誰とも目が合わないようにうつむいてディジュをケースにしまい、そっと外に出た。
名前もわからないビールを流し込んで、少したってから冷静さを取り戻した。
何がいけなかったのかを、なぜ上手くいかなかったのかを捉えようと思った。
一番わかりやすいのは上手くいっている選手と自分の演奏を客観的に比べることだ。
会場に戻らなきゃ。
会場に戻るとバトルはまだまだ続いていた。
続々と会場を沸かす選手たち。
同じ条件、同じ楽器なはずなのに奏者によって明らかにお客さんの反応が違う。
注意深くよく見て、聞いた。何が違うのか、何が今の自分に足りていないのか。
やがて予選が終わり、少しのブレイクの後で本選出場者8名が発表された。
「もしかしたら・・・」なんて淡すぎる期待をもってスクリーンの発表を見にいったが、案の定そこに自分の名前はなく。やっぱりすこしガッカリした。
本選バトルは凄いの一言。
自分が持っていないものを、引き出しから次ぎ次に出して演奏する選手達。
本選1分半×2のバトル中、引き出しが空になることなく次々と魅せてくる。
もはや、あきらかに技術で自分よりはるか上のクラス。
自分びいきに評価したとしても今の自分の実力は彼らより低いことは明らかだった。
もう8名ともどの選手が優勝してもおかしくないレベルで、審査員たちもジャッジを迷うシーンも多々。
実力が拮抗している状態で、そこから先はそれぞれのキャラクターやパーソナリティが勝負を左右しているようだった。
決勝に進むと会場のボルテージは最高潮。
お客さんも興奮して吼えている。
ステージの脇では敗退した選手達もお互いを尊敬して称え合っている。
負けを認め、実力不足を受け入れた自分も、選手達の輪に入り一緒に決勝を応援した。
もう予選敗退者も本選出場者も関係なかった。
あの孤独なステージでプレッシャーと向き合いながら自分を精一杯出した同じ選手達。
なにか不思議な連帯感が生まれていた。
皆一緒になって最後の決勝バトルを見守った。
優勝者はフランスのKID。
文句ない優勝だった。素晴らしいスキルとパフォーマンス。
トラディショナルとコンテンポラリを上手く使い、オリジナルな音も組み入れダイナミックに物語を創っていた。
対戦相手も素晴らしい演奏技術だったけど、音の大きさやダイナミックさでKIDのほうが目立っていた。
それでも会場も敗退選手も皆で二人を祝福した。自分も彼らを心から祝福することができた。それほどまでに素晴らしい決勝バトルだったし、素晴らしい優勝の演奏だった。
書き表せないくらい素晴らしいイベントだった。
選手、オーガナイザー、お客さんの間に尊敬と配慮と感謝があり、互いの良いもの(経験やスキル)をシェアしあい、そして新しい発見があり、新しい出会いがあった。
イベントが終わったあとも明け方近くまで語りあい、飲み、笑い。。。
素晴らしい時間を過ごせて感謝。
このイベントを立ち上げたGrenobleのクルーに尊敬と感謝。
選手達に尊敬と感謝。盛り上げたお客さんに尊敬と感謝。
そして快く行かせてくれた相方に尊敬と感謝。
ありがとうございました。
素晴らしく多くの収穫があった。
何が足りないのか、何をすべきなのかを発見できる貴重な貴重な体験だった。
足りなかったものを補って、得意なところはもっと伸ばしていこう。
来年も挑戦する。