Sola Akingbola | Keyaki

Sola Akingbola


Sola Akingbola、通称ショーラ。

音の旅


Jamiroquaiのパーカッション。

自らもBANDを率いる。
JAZZギタリストで有名なRONNY JORDANのアルバムに参加したりと活動も幅広い。
見た目はフレッシュで元気で明るい御歳47歳(前後)。
体や食事に気を使うナチュラル派の大御所パーカッショニスト。



先日会った幼馴染のタニアの旦那さんMatt氏が話をしてくれ、昨日LONDON南西部の駅で待ち合わせ、Solaと彼の仲間達と一緒にセッションしてきた。

(タニア、Matt先生、ありがとう)



約一週間前から電話で連絡を取り日時を決めた。

当日、待ち合わせ時間を少し回ってから、スタバにハングドラムとタマをかついでSola登場。

完全にイイ人オーラ全開。超スーパー極上の笑顔で「ごめんごめん待たせたね、なんか飲み物おごらせてくれよ~」ときた。明るい陽気なジェントルメ~ン。


Solaは太鼓を担ぎ、俺はジャンベをガラガラ引きながら足早に駅を背にして歩き出す。

とにかくセッションするとしか聞いてなかったので、どこへ行くのか聞くとSolaが笑顔で大きくうなずきながら「お前はラッキーだ」と言った。




 20年以上も前の話。Solaが今のように活躍の場を広げ稼ぐようになるまで、やはり苦労をしたそう。
音楽で好きでしょうがなかった彼は夢を描き、仲間と一緒にとあるスタジオへよく通ったそうだ。

そのスタジオは燃料施設のような敷地内の一角にあり、周りの住居からも距離がある。
レンガ造りで味のある古い倉庫が防音工事してある様子は、手作り感満載で夢が詰まった秘密基地。
気兼ねなく音を深夜まで出せるそこは、彼と彼の仲間の格好の練習場所となった。

それから数十年。

現在、彼と彼の仲間達はそれぞれ第一線で活躍しているミュージシャン。大忙しだ。

それでもあの時の事や一緒に過ごした時間は忘れてない。お互いの忙しさの合間でたまに連絡を取り合い、若い頃汗を流し夢を語ったあのスタジオで集まってセッションするんだそうだ。
最近は数がへってきてはいるが。。。





なんと、今日はそのスタジオに連れて行ってくれるという。

そして久々にその仲間も集まり、一緒にセッションをすると言うのだ。

「だからお前はラッキーだ。」とSola。

うんマジそう思う。ってか夢ですか?状態。。。おしっこ出そうになった。



鳥肌ALLタイム!



興奮フォーエヴァー!



とにかく、「!!!!!!!!!!!!!」って感じ。



わくわくしすぎてこっちはテンションあがりまくり。

最初から質問攻撃で若干うざかられかけた。

おしっこ漏れてもいいや、と思った。




世間話をしながらソレらしき施設が見える。


倉庫街の一角、レンガ造りの古い事務所のような建物のドアを空ける。

20畳ほどの広さのそこは、年季の入ったソファと手垢のついた楽器達でいっぱいだった。

無造作に壁に立てかけられたベース。

書きかけの譜面。

誰かの飲みかけたビールの缶。

壁に染み込む夢の匂い。






Solaの仲間達が続々と登場。全員DRUMとパーカッションを使いこなす。

昔話や近況報告をしつつ、張ったばかりのコンガをだれとなくなんとなく触る。




だんだんパルスが拍になる。

だんだん拍が拍子になる。

おもむろにセッションが始まる。



SOLAはサカラ(※1)を使ってメロディを奏でだす。

それにコンガが2人加わる。

ビートにグルーブが乗り始める。ティンバレスが入って表情をつける。

俺もジャンベで真っ直ぐにごまかさずコネクト。




複雑なリズムも、アフリカンで聞いたことあるどれかに当てはまった。

自分の感性で勝負してみようと思った。
教わってきた大事な事は忘れずに、でも昔みたいに感性で叩いてみようと思った。



俺はベースのリズムを入れる。

同じフレーズのループじゃなく、うねるように予測がつかない動きで全体に低音を絡ませる。
ゆだねる。
出てくるものにゆだねる。
自分でもいつどこに入るのか分からないスリルを楽しみながら、それでも大切な事は意識しながら皆の奏でるリズムに入っていった。





目が合う。

ニヤリとする。

大きな寛容さで地盤を支えながら彩りを添える皆がいる。

まるで巨大な蓮の葉の上をはだしで歩いている。

そこで自分を出したい俺がいる。もっと出したい自分が。

大きな安心感の元、自分に「俺!もっと行け!」と言った。




その場で産まれたブレークや拍子の変化を何回も何回も練習し、徐々に皆で作り上げながら(本当に全員が意見して!)進んだ後に形ができてくる。Trip。Trip。Trip。音のTrip。

途中、「ケヤキ、お前のベースのリズム、いいぞ!」「あぁ、いい!ファンクでいいぞ!」と上げられる。

いやいや、甘えさせてもらってるんです。皆さんが完全に安定しているから引き出されてるんです、とか思いながらも少し手応えを感じていた。






アフリカンを始める前までは、技術も知識もなく感性だけで叩いていた。

その時はいくら人に「お前のグルーブはいいよ!」とか「独特でいいね~なんか違うね~」と言われてもいまいち素直に喜べなかった。

「なんで人は俺の音がイイというんだろう。お世辞か社交辞令じゃね~かな~」なんて思っていたし、「なんでそんな事いうんだろう、不思議だなぁ。まぁたしかにノリノリではあるけどなぁ」くらいにしか思っていなかった。何をどこをイイと言われているのか分からなかったんだ。

つまり自信がなかったんだ。




でも一年前、鹿児島県の三島村でアフリカンを学び始めて叩き方から教わり、少しづつ少しづつリズムも覚えた。
全く出なかったトンとスラップをひたすら練習し、楽器を鳴らすことを覚えた。
始めて横太鼓も叩き、リズムの構造を知った。
アフリカに行きトラディショナルの意味を知り、太鼓の役割や精神性を感じた。
あれから1年が経ち、ほんの少しだけ技術と知識の土壌を自分の中に持つことができたんだと思う。
(勿論まだまだヒヨコだし、極めの道のりは果てしないです)


そして昨日、技術や知識も土壌が少し出来始めたこの時に、そう、この時に、今の感性で自分の音を叩いてみたんだ。

久しぶりにリミッターを無視して違うチャンネルを使い、勝手に出てくるものに完全にゆだねてみた。
でも冷静に俯瞰する目線は忘れずに。

ギニアの先生が言ったように「空気中にあるグルーブにコネクトしてシンクロする事」、そして、各師匠の教えであった、音の出し分け、タイムを守ること、思っていることを意識すること、音を自信もってはっきり出すこと、これだけを守って後はゆだねた。


空気にゆだねてみた!





感性で勝手にでてきた計算のないフレーズは、アフリカンを学ぶ前とくらべて全く変わらない俺節だった。いや、基礎を学び始めたせいかその俺独特のものは昔よりも強くなっているようだった。


大変おこがましいが、もちろん一流プロの皆が補助してくれていたのも百も承知だが、でも、でも、通用している気がした。
皆がCOOLだと評価してくれた。
絡ませたベース音のリズムがとてもグルービーでCOOLだとプロが言う。

YES!俺もそう思う。



一昔前は気づかなかった意識を持ちながら昔のように感性で演奏したら、なんか以前とは全然違う表現の幅に気づいた。
叩く音は以前よりしっかり出し分けられ、タイムも拍を意識しながらとれつつ、感性のおもむくままに奏でることができた。




8時に始まったセッションは気づけば12時を回ってた。

皆まだ叩きたい気持ちを残して解散。










今回の経験で自分が感性で出すリズムとグルーブと基礎的な音自体の質に、少し自信がついた。


あとはもっと勇気をもって人前に出そう。いや出したい!
ガンガン行こう。いや行きたい!!!












今、正直いってまだまだビビってる。余計な事考えてる。
わかってる。わかってる。人前で、外で、どこであっても叩いて聞いてもらうしかない。それが道。
これは叩かなきゃ越えられない。






「行けよお前、堂々とよ~!」と、いう自分と「いやぁ、でも~○○だし~」と、言い訳ばかり探す自分。





もんもん、もんもん、LONDONの空のよう。












どっちにしても、叩かなきゃ越えられない。。。。












Anyway!
Solaさん、仲間の皆さん、ありがとうございました!
大変勉強になりました!!!

またよろしくお願いします!!!








(※1)サカラ…ナイジェリア、主にヨルバ族。素焼きに山羊革を張り、スティックで叩く。手のひらに収まるサイズだが存在感は抜群。弦楽器との相性も良し。


音の旅

音の旅