すごい金額ですよね、うらやましいですね
今季ヤクルトで16勝をあげたセ・リーグ最多勝右腕セス・グライシンガー投手(32)が11日、巨人と「2年総額5億円」で契約を結んだ。ヤクルト、阪神、そして米メジャーも巻き込んで大争奪戦となったが、内情に詳しい米球界関係者は今回のマネーゲームを「とんでもない」と一刀両断。その舞台裏を明かすとともに、球界周辺からは、グライシンガーの“問題児”ぶりを危惧する声がわきあがっている。
「巨人が争奪戦に勝った形のようだけど、結局はグライシンガーの独り勝ちだよ。ヤクルトも阪神も、そして巨人もうまくしてやられたというところじゃないか」
今回の争奪戦の事情をよく知る米球界関係者はあきれ気味に笑った。
グライシンガー争奪戦の火ブタを切ったのは、チーム残留を要請したヤクルト。1年+1年オプションで総額4億円の条件提示で交渉をスタート。その一方で阪神も大アピール。2年総額5億円を掲げて猛プッシュした。
その後、交渉期限の先月29日をすぎても合意に至ることができなかったヤクルトが撤退。交渉解禁後は、阪神が獲得へ有利な状況と思われたが、条件面で苦戦しギブアップ。結局、巨人が2年総額5億円でグライシンガーサイドのハートをつかんだ-とされる。ところが、前出の米球界関係者は、「とんでもない!」と交渉の舞台裏を明かす。
「巨人とグライシンガー側の合意額が2年総額5億円という報道があったが、この金額はありえない。一番条件が低いイメージがあったヤクルトでさえ、最終的には2年総額6億円超を提示していたようだし、阪神だって2年総額8億円くらいには至っていたはず」
自分を高く売ることにかけてはドライな米球界人が、よほどの君子でない限り、2年総額5億円で合意に至るワケがないというのだ。争奪戦の終盤には、ヤクルトサイドに米メジャー数球団から契約状況の問い合わせがあり、“推定落札額”は2年10億円に到達する状況だったという。
バージニア大学時代は金融学を専攻。「引退後は実業家になる」と公言しているグライシンガーだけに、金銭面にはあくまでもシビア。まさに“投げる実業家”といったところだ。
結局は資金力に勝る巨人の完勝となったわけだが、巨人サイドも喜んでばかりはいられない。今回のしたたかな釣り上げ工作でも明らかになったように、一筋縄ではいかないのがグライシンガー。前出の関係者は、「巨人もしっかり鈴をつけて気をつけないと、大型補強が大コケする」と警鐘を鳴らす。
今回の争奪戦でグライシンガーの交渉窓口となったのは、広島時代のシーツなどの代理人を務めたリック・オリバー氏。現在の代理人制度では自らの成功報酬のため、選手の意向を超えた金銭闘争を展開することが多いが、「グライシンガー自身が代理人がどれくらいやれるか、今回の交渉で試しているといっていたそうだ。彼はクールでしたたかだ」(同関係者)という。
また、グライシンガーは登板の合間に相手打者や配球面で気付いたことをノートにチェックするなど、研究熱心でマジメな性格で知られるが、その一方で、「シーズンの終盤では気に入らないことがあればベンチ裏でモノをぶちまけたりしていた。負けがつけば捕手のリードのせいにしたり。おかげで神経症になった捕手もいた」(ヤクルト関係者)という状態だった。
加えて、「韓国そして日本で2年きっちり働いている。今まで手術してきた肩、ヒジの状態にも不安がある。それ以上に今季の4700万円から一気に大金を手にしたことで気が緩むのも怖い」と米球界関係者。
巷では、最多勝右腕の加入で巨人の戦力アップは間違いなしと思われがちだが、思わぬ落とし穴にハマることにもなりかねない。この問題外国人をどう扱うか…。巨人の手綱さばきが見ものとなる。