結婚式まえなのに・・・
ニューヨーク市のクイーンズ区で結婚式を控えた黒人男性が市警の5人の警官から約50発もの銃撃を受けて死亡する事件があった。男性とその友人が銃を持っていると早合点した警官の発砲が発端とみられ、事態を重視したブルームバーグ市長は27日、地区の有力者らを招いた緊急会合で事件の徹底調査を約束した。
死亡したのは同区に住むショーン・ベルさん(23)で、事件は25日未明、ベルさんが、友人と独身最後の夜を楽しむという米国の風習「バチェラー・パーティー」のため、ストリップ・クラブを訪れた際に発生した。
AP通信によると、ベルさんと数人の友人らは店を出たところで口論となり、友人の1人が「銃」に言及したことから、店にいた私服警察官が追跡を始めた。ベルさんらが車に乗り込んだところで、私服警官の1人が車の前に立って制止しようとしたところ、ベルさんらが、車にぶつけたうえ、警官の方に発進したため、いっせいに50発の乱射となったという。31発も1人で発砲した警察官もおり、死亡したベルさんに加え、友人2人も負傷した。ベルさんには婚約者との間に2人の娘がいた。
市警は走行中の車両への発砲を認めるケースとして、「相手が車以外に殺傷能力を持つ武器を使用している場合」を挙げているが、ベルさんらの車から銃は発見されなかった。警官が発砲前に身分を明かしたかどうかもはっきりせず、ベルさんらは追跡される理由がわからないまま発砲された可能性もある。
事件では50発にも及ぶ銃撃があったことに疑問と非難が集中。26日に行われた抗議デモを率いた黒人運動指導者のアル・シャープトン師は「私たちは犯罪者だけでなく警官にも悩まなければならない」と警察権力の行き過ぎを主張。ケリー市警本部長の辞職を求めた。
地元紙デーリー・ニュースは「治安を守るはずの警官が丸腰の新郎を殺す結果になってしまった。米国で最も安全な大都市はまだ銃におびえている」と被害者・警官の双方が銃への恐怖からパニックに陥ったと分析した。
ニューヨークでは1999年、ギニア出身の露天商の黒人男性が銃を所持していると警官に誤解され、41発もの銃弾を浴びて死亡。しかし4人の白人警官は無罪となり、抗議行動が起きた。今回の5人の警官は白人2人、黒人2人、ヒスパニック系1人だった。