Facebookに時々、NPOの「二枚目の名刺」という法人の記事が載ってくる。どうして二枚目なのかを考えると、ある前提条件が見えてくる。
どこの幼稚園、どこの小学校、どこの中学、高校、大学でどこの会社? この延長線に2枚目の名刺がある。どこかに属してある役割を果たす。これを起点に考えると複数の所属と役割を持つと、その分だけ名刺が増える。たしかに、二枚目の名刺は「一枚しかもたない・もてない」より画期的だが、「どこかに属して役割を果たす」数量だけ名刺が増えるという意味では、発想の枠組みは変わらない。
じゃあ、どうするかというと、個人を起点に考えて、複数の帰属や役割を記載すればよい。そうすれば名刺は一枚だ。なぜこんなこと考えるかというと、8年ほど前、会社を辞めて個人で動き始めたときに、自己紹介に慣れるのに3か月くらいかかったことによる。それまで 「××会社の何の役割(役職)の自分」という形でしか自己紹介をしてこなかったことに気づいたからだ。今、自分には名刺が確かに数枚ある。しかしこれからはこれを束ねて一枚の名刺にしようと思う。
個人を起点に考える。そうしないと、特に会社員の定年、再雇用で暮らしてきた人の出口は精神的に結構つらいように思う。その時、二枚目の名刺の発想は限界があるように思える。