「ディズニーって何でもありだな…」

「なにがー?」
「いや、まさかこういったテーマパークにコースター系乗り物があるとは思わなかったぜ」

「嵩人さん苦手なの?」

「今までにこういったものを自発的に乗ろうと思わなかっただけで、別に苦手じゃないな。兎束は意外と苦手みたいだけど」

「マジで!?」

「髪の毛が乱れるとかで」

「――――…うわ…うっわ!!何ソレっ!!何だっアイツ!!てか何で嵩人さんそんなこと知ってんのっ!?兎束とどっか行ったのっ!!?」

「行くわけないだろ、アイツとなんて。頼まれても嫌だぜ?」

「だって嵩人さんと兎束が仲いいのがすごいムカツクもん!!俺の知らない間にもしかしたらっ!!って思うじゃんっ!!」

「…それは絶対無いから安心しろ」


何故か疲れた顔をした嵩人さんは苦笑しながら頭を撫ぜてくれた。

そんなに変なこと、俺、言ったかな…?






「とうとう来たよーっ!タワーオブ…テラー?」
「疑問系で言うな」

「テラーって何?」

「TOWER of TERROR …そのままの意味じゃないのか?恐怖の塔」

「へぇ!すごいインディとは違った意味でドキドキする!!」

「それにしても雨、止んだな」

「俺、晴れ男だもん」

「そうか」

「嵩人さん、カッパありがとう!」

「どういたしまして」






……




「め、めちゃくちゃこわかった…泣きそうおれ…」

「大丈夫か?」

「心臓どきどきゆってる――――ほら」

「確かに速いな。少し、休むか」

「うん…でもこのスティッチ欲しい…」

「…帰るとき買ってやるから」





「汽車乗るの?」
「食後に歩くのはかったるい」

「俺、歩いてもいいのに」

「俺が乗りたいんだけど、颯樹は嫌か?」

「ううん。嵩人さんが乗りたいなら、俺も乗るっ!!」

「いい子だな」




「――――颯樹、お前何買ったんだ?」

「ポップコーン!!しかもブラックペッパー味」

「…さっき昼、食ったばかりだろ。しかも…ブラックペッパーってお前…」

「嵩人さんも食べる?なんか…うまいのかわかんないけど」

「……(不味いのか)」

「嵩人さん半分あげる」

「颯樹、おやつまでとっとけ」

「えー…嵩人さんはんぶんあげるーっ」





「先頭だっ一番前ー!!」

「俺ら含め4人しかいないからな。好きなところに乗り放題だ」

「嵩人さん、足、楽?」

「あぁ楽だぜ」

「俺も楽ーっ!今度、どこ行く?」

「どこでも。颯樹はどこ行きたい?」

「俺ー?んー…どこだろ…」


がさがさ


「ここ行ってないかも…マーメイドラグーンってとこ」

「マーメイド…か、そこ行くか」

「何あるんだろ」

「行ってみれば分かるさ」