☆3 きみ去りしのち(29/100) | 森の外~山チビと行く山散歩始めました~長野のイイトコ巡り中〜

森の外~山チビと行く山散歩始めました~長野のイイトコ巡り中〜

モリノソト日記です。
2014年に山チビを出産、お休みしていた山散歩をボチボチ再開しました。
山に行けないときは長野のイイトコ巡ります。


満1歳の誕生日を祝った数日後、幼子は亡くなってしまった。
息子の異変に気づくことなくすぐそばで寝ていた両親は、
息子を死なせてしまったのは自分(たち)だと責め続け、
また息子がいない現実を受け入れられないでいる。

そんな中、父親だった男はひとりで「旅をしている」。
旅の行き先は、悲しい死にまつわる場所が多い。
行く先々で、死者に手をあわせ、息子にそっと話しかける。
旅を重ねるうちに、いつしか前妻の娘も行動をともにするようになる。

自分の父親を「お父さん」とは言わず、苗字で呼びかけるこの娘も
抱えきれない孤独と悲しみを背負っていた。




男の選ぶ行く先は「死」にまつわる場所だからか、
そこで出会う人たちはみな、身近な人の死を経験し、
みなそれぞれ、悲しみを胸にかかえて生きている。
その悲しみとともに生きている人もいれば、
まだ受け入れることが出来ていない人もいたり、
悲しみを怒りに変えている人もいたりする。
「悲しみ」との付き合い方は人それぞれなのだ。
『笑わないでいることで、なにかをずっと支えて』生きていくという方法もある。

だとしたら、笑おう。
無理をしてでも笑おう。
私たちが元気でいるということを、もうここには存在しない、大切な人に知ってもらうんだ。
そしていつか、笑顔で「再会」しよう。


そんなことを思った。



題名からしてボロボロ泣いてしまうような内容かと思ったのですが、
そうではなく。

「身近な人の死」が話の根底にあって、
悲しみに直面した人たちがいろいろなかたちでその悲しみと
なんとかして折り合いをつけていこうともがいている様を描いている。
まだまだ悲しみをどうすればいいのか分からない人、
戦っている人もいれば、
ようやく受け入れつつある人もいる。

そんな人たちとの出会いを通じて、
男も自分の中で悲しみを昇華させていく過程に
私たちも立ち会うことになる。

救いのある、物語。

とはいえ、
息子を失ったのをきっかけに睡眠障害に陥った妻が、
夫が同じ家のなかにいると眠れない、
と男に訴える場面は胸が痛かった。
二人の間のこどもを失ったのだから、
「夫婦で乗り越えていこうね」
と気持ちを通じ合わせるようになれるまでが、
ひとつのステップなのですね。








2013年も本を100冊読む。
あと71冊 
きみ去りしのち(29/100)



私は☆3。
1:文章がすき 
2:作品全体の雰囲気が好き ☆
3:ぐっとひきこまれた(イッキ読みした)☆
4:内容・結末に納得がいった ☆
5:その他 





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