夫は した側の言い分を話し終えると
起き上がれない私を起こして
抱きしめた…
「わかってる。
仕事が大変なのは充分わかってる。
子どもたちや私のために嫌なことも我慢して
ずっと働いてくれてたことももちろんわかってる…」
言いながらも涙が溢れる。
そのことには心から感謝している。
だけどあなたのしたことは間違ってる。
そう言いたかったのに
私の心は持ちこたえられなかった。
その一言が、最後のダメ押しになりそうで
やっぱり私には言えない…
1週間の、離婚を前提とした地獄の時間は
私の心を徹底的に弱らせていた。
もうただただこの地獄から抜け出したかった。
私は夫を失いたくなくて、
弱い人間に 落ちてしまった…
私は夫にすがって泣き
「△△さんのこと愛してるから、
私、△△さんがいないと生きていけない。」
と、自分で「離婚する」と言いながら
またしてもこんな矛盾だらけのことを
言ってしまった…
夫の思うツボ。
どうせ1人で生きていけるわけない
と、心の中で笑っただろう。
でも 愛しているのも、
夫なしでは生きる意味がないのも
本当のこと。 悔しいけれど…
夫に涙を拭かれて
私は気持ちを立て直し
着替えてエプロンをつけた。
部屋を出る時に夫がまた私を抱きしめて
「ほんとにごめん…
これから2人で幸せになろう。
絶対に幸せにするから」
と言い、
今回の離婚話はまたしても消滅…
その後、夫は毎日とても楽しそうだ。
女の連絡先を消去したことも
グレーな女のラインをブロックしたことも
今のところ反応がない。
でも私は今回の離婚話以前と
精神的にはほとんど変わっていない。
夫に不倫されたことは絶対に
一生忘れることはできないのだろう。
これからの課題は
一生忘れられないことを 自分の中で消化しながら、
夫に振り回されず
自分の人生を 楽しむこと…
かな…
まったくできる気がしないけど…
不倫した夫も、相手をした女も
本当に最低な人間たち
きっと一生
許すなんてできない。