女子会の人類学①
女子会は存在するのに、なぜ男子会は
事実上、存在しないのか?
遊びであれ、仕事場であれ、仮に男子会
状態にあったとしても、そこに女性が参加
することを拒む男子会は、ほぼ皆無です。
むしろ、女性を大歓迎することでしょう。
しかるに女子会に男性が参入することは
ほぼ、まちがいなく不可能です。すなわち、
女子会は、完全に男性を排除するところ
からはじまる男子禁制空間だったのです。
ではなぜ女子会は厳しく男子禁制なので
しょうか?
それは、女性間競争がはじまるからです!
女性たちがそれまで築き上げてきたガラス
細工のような女性たちの人間関係が男子
(一匹)の参加で一気に崩壊してしまうから
に他なりません。
日本文学の好きな方なら「ツバメ」という
ことばの由来である平塚らいてうに
まつわるエピソードを参考にしてみて
ください。
女性社会はもとより縦社会で、身分制度
があり、極めて差別的な社会なのです。
格上とは口も利けず、格下とは口も利か
ない、同格同士が、どんぐりの背比べを
することをそもそも女子会と呼ぶのです。
女性たちが年齢や年代に応じて輪切り
に女子会や親友関係を結ぶのも、日本
女性が欧米女性とめったに親友関係や
女子会を形成しないのも、ことばの問題
だけではなかったのです。差別やイジメ
は女性社会に由来していることはママ友
が子供たちの人間関係に口出しする
ところからも伺えるわけです。
「事件の陰に女あり」ということばは女性
同士の争いに男性が巻き込まれた際に、
発せられる表現。戦争は男が引き起こす
かもしれませんが、闘いは女性から始め
るものなのです。
「男は家を出ると七人の敵がいる」など
といいますが、シンデレラには母親と姉
たち。白雪姫には女王。親族であれ、
親友であれ、女は家の中にも、女子会
の中にも、敵がいたのです。
親友のフリをした敵のことをフレネミーと
俗に呼びますが、Frienemyは女子会や
親友に留まらず、家族内にもいるという
ことを、これから人類学的に、証明して
いきます。
女性たちは、つねに、二つの競争を
お互いに課しています。
その一つ目が繁殖力競争。
結果としての繁殖そのものではなく、
繁殖可能性を競い合う関係。
わかり易くいうと、10人子供のいる
お母さんと、20歳の女の子を比べた
場合、繁殖力の高いのはすでに繁殖
を済ましてしまったお母さんよりも、
これから、その可能性を秘めている
20歳の女の子になります。
繁殖力競争は若さだったり、ルックス
だったり、異性から求められることへ
のけん制や競争を指します。
自身の参加している女子会において
フレネミーたちが、気付かないうちに
会話の中で、自分の繁殖力を抑制し
ていたり、母親や祖母が口うるさく、
年頃の娘や孫娘をしつけと称して、
理不尽な洗脳教育で縛るのも繁殖力
抑制に他なりません。
女性間の繁殖力抑制はさまざまな形
で現れ、この国の未婚率と離婚率の
上昇、主婦の不倫率の急上昇そして、
OECD(経済協力開発機構)によって
指摘された世界一のセックスレス社会
ひいては少子高齢化と人口の減少等、
現在、日本の抱える由々しき事態の
主たる原因として君臨しているのです。
女性間競争。その二つ目は女性社会に
おける「地位の向上」です。
同じランクに属する女子会で頂点を目指す
ことと、さらにランク上の女子会のメンバー
になることこそが、多くの女性たちにとって
至上課題なのであります。
たとえば結婚式や披露宴は、女性にとって
一日だけ女子会の頂点に立つことが許さ
れる時間・空間であり「一日お姫様女子会」
そのものなのであります。多くの女性たち
は結婚そのものよりも、式と披露宴だけを
催したいと願っていたりもするわけです。
女性間における「地位の向上」は消費を
うながすため、必ずしも悪いことばかりで
はありません。キャバ嬢が旦那におごり
やプレゼントをねだる有効需要から主婦
がマイホームやマイカー購買の財布と鍵
を握っていたり、ママ友がお受験絡みの
決裁権を握っていたり、すべての消費は
女性に由来するという考え方からすれば
日本国がかつて世界GDP2位だった理由
の一つに女性間競争が果していた役割
は大きかったはずです。すなわち世界で
もっとも熾烈な女性間競争を繰り広げて
いたのが日本女性ということになるわけ
です。
*マッカーサー体制と日本国憲法により
廃止された身分制度が圧力となって、
女性間競争へとつながったとぼくは考え
ております。
面白いのは、女性たちの繰り広げる二つ
の競争たる①繁殖力競争と②地位向上は
互いが入り組んでいながら、互いに、けん
制し合い、抑制する関係にもあります。
このことは「美とは権力である」という項目
で解説します。
①女性の繁殖力競争
「私の周りにはそんな人いないから」など
と否定しながらも、女性にそういう性質が
あることは認めざるを得ないのが繁殖力
競争の例です。
よく語られるのは、髪の毛を切った友人が
似合っていたら「前の方がよかった」といい、
似合ってないと「スゴくいい!カワイイ!」
とベタ褒めしてしまう乙女ごごろ。さりげない
繁殖抑制が互いを下げ合うというギミックに
なります。
このやりとりは、あらゆる場面に応用され、
悪い男と付き合っていれば「頑張って」と
応援するくせに、、いい男と付き合いだす
と「やめたら?」「遊ばれてんじゃない?」
などと、ついついアドバイスしてしまう乙女
ごころ。
飲み会に自分の引き立て役か、自分の
いいなりになる美女を連れ来る、俗に
「幹事マックスの法則」といわれる手法や、
紹介を男性から頼まれてもワザと友人を
紹介しなかったり、伝言をキチンと伝えな
かったり、繁殖力抑制にもとづくイジワル
は様々な形式で私たちの日常に点在して
いるのです。
実は、この抑制関係を大規模化したもの
が女子会であり、わざわざ繁殖適齢期に、
男子禁制たる女子会へ頻繁に参加する
ことが婚期・婚機を失わさせるメカニズム
であることは徐々に明らかになって来る
わけです。
そして幼少より長期間にわたって洗脳し、
女子たちを精神的に支配し続けるのが、
「母子会」という名の「女子会」だったのです。
つづく