空気は吸うもので、読むものではありません!
日本人が神よりも恐れるものは何か?
どんな宗教的戒律よりも、法律よりも
日本人がこの世でもっとも恐れるものは...。
それは、人からどう思われているか?
です。中でも、自分に近い周囲の目線が
一番重要で、自分を軸に同心円上で半径
が長くなればなるほど、重要でなくなります。
よく、女子が「皆がそういってるもん!」
とする際の「皆」は同心円上の半径が短く、
「身の回りマーケティング」という身近な
存在での聞き取りになります。
菅直人氏が国民に目を向けず政争に
あけくれる背景もここにあります。彼に
とって重要なのは妻、側近、派閥、党、
政界の順番で、最後に選挙でお世話に
なる国民、そして、諸外国が来ます。
国際社会の中でアメリカ以外に目をあまり
向けて来ないで、マイペースだった日本は、
バブル崩壊後、諸外国に目を向けるように
なり、半径を伸ばし、このとき放送された番組
が、「ここが変だよ!日本人」だったわけです。
日本社会では「人に気を使う」と「謙虚である」
ことは美徳として表現されていますが、
つまるところ、「出る杭は打たれる」という意味で、
同心円上半径が短いところから、その圧力は
かかってきます。
半径が伸びると、今度は「恥の文化」という抑圧
が容赦なく押し寄せて来るため、日本社会には
えもいわれぬ緊張感が常に存在していたわけです。
いわゆる*歌舞伎者や反社会勢力が大きな
アピールをするのも、この空気圧ともいうべき
圧力に対抗するためであり、出すぎた杭に
ならない限り、この国で自己実現は難しい訳です。
(*歌舞伎役者そのもののことではありません)
大きなアピールとは、いわば空気圧が強すぎて
ロケット噴射で大気圏外に飛び出すようなものです。
ところが、東電の事故のような事態になると、
まさしく出すぎた杭であるため、日本の空気圧
は効力を失い、なすすべもなくなるのです。
