なぜ、民主党は議席を獲得できるのか?
もともと、日本は政治教育のレベルが低く、
国民の政治への関心も低く、国民は政治
のルールも、仕組みもよく知らなかったの
です。
しかるに、小泉政権誕生あたりから、
マスメディアが政治を第一級の
エンターテイメントとして扱うようになり、
それまで官僚任せだった政治という
商品を国民も買うようになったのです。
ワールドカップを見るようになった日本人
がサッカーのルールを覚えてしまったように、
選挙に臨む国民もそのルールと仕組みを
熟知するように成長したわけです。たとえば、
オフサイドをレフリーより先に指摘できるように
捩れ国会のリスクというものを、国民は選挙前
に察知することができるのです。
自民党が空中分解し、二大政党制が
崩れたため、小政党の乱立は、ある意味、
かつての55年体制(一と二分の一政党制)
を再現しています。アメリカ型二大政党制の
居心地悪さと、捩れ国会のリスク回避を第一
に考える日本人は、むしろ昭和政治に回帰
することを望むのです。
また、消費税の上昇を頭ごなしに否定せず、
冷静に受け止めている日本人は、政治的に
成熟してきたといえるでしょう。ある意味、
ワールドカップ一流国の仲間入りを果せた
ように、その政治も一流国の仲間入りを
果せつつあるのかも知れません。