お金のつくり方⑦ 銀行家は悪くない
私達が普段使っているお金のことをFiat Money
と呼びます。Fiatとはラテン語で Let it be done!
「決済せよ!」といった意味です。ちなみに車の
FIATはFabbrica Italiana Automobili Torinoの略。
いわゆる銀行ははじめトランクルームのような
存在(=>貴金属細工商Gold Smithの金庫)で、
金銀財宝の「預かり業務」をなりわいとしており、
通貨のように決済能力のある金塊を預かっては、
預かり証書を発行していたわけです。
たくさんの金塊を預かっていた銀行は、貸し出し
業務も始め、やがて預かり証そのものが決済に
使われようになります。これが紙幣の始まりです。
金利で儲けることに味をしめた銀行家は、実際に
預かっている金塊よりも、多めの紙幣を刷り始め
ます。これがFiat Moneyつまり金塊と交換すること
のできない=不換紙幣です。銀行家の戦略は貸し
出し金利で儲けてその儲けで金塊を買えば結局、
金塊は増えて富だけが銀行に積みあがる訳です。
このときから通貨を偽造する権利は銀行にのみ
与えられし力となりました。調度クレジットカードの
発行がカード会社の専権事項なのと同じことですね。
こうした銀行の習性は金本位制からいわゆる
BrettonWoods体制($単位=金単位)。さらに
変動相場制という現在のシステムまで一貫して
つづいているわけです。
「金塊1gあるから+9g分の紙幣を刷っちゃえ」
は「ここに1ドルあるから+9ドル刷っちゃえ!」
へと変わり、根拠なく発行される金塊との兌換性
なきFiat Moneyは、さらに、根拠なきドル供給へ
とエスカレートしていきました。金塊も、$預金も
実際は存在しないことに気づいた人々が一斉に
銀行へ集まり、取り付け騒ぎが起こります。そこ
へ中央銀行という「税金を担保」にした大型銀行
が登場して、救済する仕組みができたのです。
このシステムこそがFractional Reserve Banking
部分準備制度という今につづく、銀行の原則的な
仕組みだったのです。
「そもそも税金を担保しなければならないような
根拠のない通貨をつくることがいけないのだ!」
という議論が沸き起こり、今や「一部の銀行家が
戦争から政治まで世界を牛耳っているのだ」とか
「金融危機も銀行家の陰謀だ」などと迄いわれる
ようになりました。
でも...果たして、そうでしょうか?