数学はことばか? 難易度②
「思考の基盤は言語である」
というのは間違いであること
をずっと主張してきました。
なぜなら思考はむしろ言語に
よって制限・阻害される場合も
あるからです。いわゆる、
ひらめきは言語を媒介にして
行われる場合と、そうでない
場合とがあり、言語の介在
しない思考は様々な形で
存在しているからです。
芸術や囲碁などにおける考察も
非言語型思考といえるでしょう。
数学における思考は言語化した
論理を媒介にしておりますが、
数学と言語が共通しているのは
それが記号を媒介にしている点
のみで、両者が歴然と違うのは
その文法の扱い方なのです。
数学は記号文法を整備していく
ことに主眼をおき、言語は固定
された文法の中で変化する表現
形式なのです。