外から見る日本人②
日本人は元気よさそうに
隊列を組みながら引率の
教師らしき人を先頭に
校内へ入ってきました。
ぼくはドイツ人の子らと
それを覗きに行きました。
何やらスピーチらしき
ものをやっており、
生徒たちは一糸乱れず
私語もなくジッとそれを
聞いています。
数もさることながら、
そうしたまとまりのよさに
心なしか威圧感をぼくらは
感じました。
日本人は食事へ来るときも
まとまって隊列を組むように
して食堂へ入ってきます。
もちろん日本語しか話さず、
英語はほとんど通じません。
話しかけてもニコニコして
いるだけです。
他の生徒達と交わることは
一切せず、自分たち独自の
集団とルールを形成し、
小さな国際社会になにか
異質な物が入ってきた感覚
をみんな持ちました。
驚くべきことにジャパニーズは
語学以外は何をやらせても
すべて「一番」にできるのです。
算数も、理科も、体育も、
工作も、何でも器用に
こなしてしまいます。しかも、
全員がそうだから驚異でした。
でも、いつも、自分達だけで
固まり、われわれと一切、
交わらないので、ある日、
試しに、彼らを卓球に
混ぜてみたんです。
そしたら、メチャメチャ強い。
誰も歯が立たないんです。
あの一番強かったヒーローの
ハンガリー君は小さな日本の
女の子にワンセットで完敗して
しまいました。
まるで全員がプロのようでした。
日本人の凄さに
驚かされっぱなしのある日、
ぼくは小六と中一の
日本人の女の子に
声をかけられ、
部屋に呼ばれました。
「ねぇ、君、日本人なの?」
「遊びにおいでよ」