なぜ三権分立は成立しないか?
三権分立はなぜ日本に成立しないのか?
それは、社会の最小単位である家族や
夫婦にも主従関係が存在するからです。
男女問わず、たった二人の関係にすら
対等な関係が構築できない日本人は
敬語という抑圧文化を駆使しながら、
たとえ、形式的であっても、主従関係
(権利の抑制)を作り出そうとします。
これを個人主義の不在といいます。
*ただし、日本の夫婦やカップルの場合、
見かけ上の主従関係(男性優位)と
実際の支配権は逆転している場合が多く、
夫という使役(家畜)への搾取権をめぐって、
嫁と姑が激しく争うことは周知の通りです。
抑圧文化は対等な関係を嫌うため、
三角形は二角形に三権分立は二権
分立にしてしまいます。
*三権分立とは行政府(大統領府)
と立法府(議会)と司法府(裁判所)
がそれぞれ独立して相互を監視する
システム。それぞれが対等に機能
しなければなりません。日本の場合、
憲法41条で国会を国権の最高機関
として、優位に立たせ、さらに、
憲法68条において、大臣の過半数を
国会議員の中から選ぶことで事実上
の二権分立にしてしまっています。
(日本は硬性憲法、イギリスには憲法が存在しません)
この傾向は、何も政治の世界に
とどまりません、企業においても、
株主と取締役と経営陣という
本来対等であるべき、三角形を、
代表取締役社長と名刺に刷って
しまうことであっけなく二角形に
変形してしまっています。
地方分権化に圧力がかかり、
中々、道州制が実現しない
中央集権社会も対等という概念
が存在しない抑圧社会ならでは
の現象といえましょう。
*この文章を「甘えの構造」の著者
土居健郎先生に捧げます。ご冥福を
お祈りいたします。