紙でできたプライバシー
日本のサービス業
(service industry)における、
よそ見しながら発する
『おまたせしました』や
心のこもっていない
『いらっしゃいませ』などは
ギャルが連発する
『カワイイ』と心理学的な
同類項に分類されます。
これらは、まさしく、
『いわされている言葉たち』
だったのです。
ことばが発せられる
対話相手に
注目すると
ウェイトレスの場合、
気にしているのは
ことばを向けている客ではなく、
上司や周囲の目。
どちらかといえば
周囲の抑圧に対して
コミュニケーションを
とっていたわけです
欧米サービス業の場合、
コミュニケーションが対話相手
である必要性は単純に
クレーム(complain)を
いわれるのが接している
対話相手次第だからであり、
上司や周囲の目は
あまり関係ないからです。
これを顧客第一主義と申します。
ペリーが来航する前まで
日本の一般人は
紙の窓に
紙のドアの
ある空間に暮らしていました。
隣の声、マル聞こえの
障子と襖で囲まれた空間には
プライバシーは存在せず、
あるのは抑圧だったのです。
だからこそ、日本人はつねに
周囲を気にしながら生きる
抑圧文化を具有してしまったのです。
コミュニケーションはまさしく紙ニケーション。
プラバシー保護は1980年のOECD勧告を
受けて2003年に法律化されました。
次回「抑圧型から対話型へ」