ファッションの原点は裸の王様
女性社会は縦社会であり、
厳しい身分制度がそこに
あります。それは、職業や
社会的地位とは関係ない
ところに存在し、きわめて、
差別的な社会であります。
その中で、特権階級にある
者たちは、何を使って他者
を支配して来たのでしょうか?
すべての女性がひれ伏す、
最高権力。それは...
「審美眼」です。
女性社会において最高位
にある価値観、最高権威
は「審美眼」。そして、女性
社会における特権階級は
この「審美眼」を行使できる
「審美官」たちでした。
男性側の「審美眼」を決めるのも、
女性側の「審美眼」を決めるのも、
母親であり、女性です。極端な話、
家庭内で母親が「美しい」と指定
したものは、その家庭内では
絶対的に「美しい」のです。つまり、
この場合、家庭内における
「審美官」は母親となります。
しかし、その母親同士が集まる
と、今度は母親社会の「審美官」
が必要となります。この人物こそ
が公園デビューでベンチに座れる
特権階級=リーダー格なのです。
母親が家庭内においてそう
であるようにリーダー格は
グループ内では抑圧によって、
価値観をコントロールすること
ができます。リーダーが黒い物
を「白だ」といえば黒い物は白く
なる抑圧システムが確立されて
いたわけです。
ファッションの原点が審美の抑圧
であり、「裸の王様」物語そのもの
である所以はここにあります。
たとえ王様が裸でも、「審美官」が
「王様は素敵な衣装をお召しに」
といえば、ぼくみたいな捻くれ者を
除いて、全員が「素敵だ!」と賛美
するのであります。
「審美眼」という世界最高権威によって
女性たちの序列や身分制度を維持する
システムは今も欧米のファッション業界
が牛耳っています。なぜなら、あなたも
洋服を着ていたからです。
つづく