争いの種
自然を愛することと平和を愛することは
相反することなのです。なぜなら戦争は
自然に起きるからです。だからこそ戦争
をなくすためには自然科学の力が必要と
なるわけです。現に医学から経済学に
至る自然科学の力によって人類は食物
連鎖の構図を都合よく変えてきました。
人口が増えて、寿命が伸びたのもこうした
自然科学の力なのです。何となれば自然
現象たる戦争も自然科学の力で抑制でき
る筈です。それでは、争いの淵源とは
いったい何でしょう?科学である経済学
は物理的な理由を示してくれます。一方、
心理学は争いの火種を家族/個体レベル
まで掘り下げて、答えを用意してくれます。
世界中の神話に登場する家族骨肉の争い
や女性縦社会に見られる醜い争いなど
人間が自然に具有していた性質こそが
イデオロギー(宗教観、政治観、人種観)と
結びつき、あるいは資源獲得のための覇権
争いと結びついて戦争を発生させていたのです。
結果として、食物連鎖で頂点に立ってしまった
万物の霊長は人間同士の争いに転換せざるを
得ない生物学上の必然性もそこにあったのです。
ここが戦争学や平和研究の入口になります。


