国連は通貨を発行できるか?
世界がドル離れをする中で、
一国の政治的・経済的動向
に左右されない、より安定
した通貨を世界は求めてい
ます。しかし、ドル神話は
そう簡単には崩れません。
なぜなら、アメリカ経済は
世界GDPの30%を占め
世界の軍事支出の約半分は
アメリカのものだからです。
名実ともに世界最強の軍事
力は何物にも侵されること
なく安定しており、むしろ
他国に干渉する余裕すらあ
るため世界の警察官として
のfunction(機能)を持って
いたわけです。世界中に
普及したインターネットは
もちろんアメリカの技術で
あり、陸海空宙のみならず
情報までもコントロールできる
国はアメリカしかありません。
世界大学ランキング
トップ10の8大学までが
アメリカの大学であり、世界
知性の希望留学先一位です。
知的財産はアメリカGDP
の5%以上を占めており、
映画の制作、配給、小売に
関わっている人は100万人
ソフトパワーも事実上の世界一です。
しかし、その一方で通貨を
一国が支配しつづけること
が世界経済にとっていいこと
かどうかは議論の分かれる
ところでもあります。
グローバル化が進行する中で、
国際社会の合議体たる国連の
存在は日増し大きくなっており、
必ずしもアメリカの思惑通りに
物事が進む訳ではありません。
国連こそ世界最大の国際機関
であり、世界でもっとも中立的な
存在でもあった訳です。だから
国連が通貨を発行することは
望ましいことなのです。国連の
発行する通貨は信用力、安定性、
政治的中立性すべてにおいて、
この上ない通貨になりますね。
国連はすでに国際通貨基金IMF
と世界銀行グループを持っており、
通貨を発行するためのインフラは
充分に整っています。さらに国連は
合議体ですから先物や資源取引に
関する政治力も大いに発揮できます。
国連通貨が金と交換される金兌換性
を持てば、米ドルに代わる新たなる


