ユーロは機軸通貨になれるか?
「経済とは評価である」ということは以前書きました。
一国の経済力はGDPや経済成長率だけで
評価することはできないのです。
政治的影響力や軍事力、科学技術力、
それにソフトパワー(文化力)など、
さまざまな要素を換算しなければ、
その国の実質経済力と潜在経済力を
推し量ることはできないのです。
まず、はじめに、アメリカ一国で
世界全体の軍事費の半分を占めています。
世界130ヶ国に軍隊を駐留させているのもアメリカ。
その軍隊は度重なる戦争という名の軍事演習すなわち
実戦によって世界一、鍛えぬかれています。
欧州NATO軍のリーダーはアメリカ、
日米同盟のリーダーもアメリカです。
自衛隊はある意味、米軍予備役にあたります。
EUで核を保有しているのは英仏のみ、
世界最大の核保有国はアメリカなんです。
そもそもインターネットはアメリカの軍事技術です。
それを世界の隅々まで張り巡らせている訳ですね。
世界中の人々がアメリカ製のソフトウェアを使って
パソコンを操作し、検索もしているんです。
国際電話番号が1番ということは世界の通信網も
牛耳っている何よりの証拠なんです。
アメリカ経済にとって日本は第二の中央銀行。
日米だけで世界経済の40%を支配しているんです。
だからアメリカにとって国際経済は国内経済だった訳です。
しかし、アメリカはこの地位を獲得するために
血のにじむような、というよりは、血を流すような投資
をしてきたわけですね。
どこぞの国のように軍隊をつくっても、
「危険なところには派遣しません」
などということはありません。第二次世界大戦後、
朝鮮戦争・ベトナム戦争・冷戦・イラク戦争などの
高いリスクをとり続け、血の投資をしてきた訳です。
円高ドル安になっても...
それでもドルが機軸通貨でありつづける
これだけの理由があったわけです。
何よりもアメリカのよって立つところである
市場主義経済と民主主義が
世界から評価されていたわけなんです。





