記憶力はいらなくなる?
およそ1500年前まで日本人は文字
というものを持っていませんでした。
漢という国からやってきた、このスゴイ
文明の利器は正に大量記憶装置でした。
今でいうところのハードディスクであり、
i-podであり、ICレコーダーだった訳です。
文字が大量輸入される前の日本人の
記憶力は驚異的だったに違いありません。
なぜなら何もメモる事ができなかったからです。
それこそゾロアスター教の司祭なみの
暗記力で古事記や日本書紀を口伝し、
伝承していたのです。
文字の便利さを手にする事と引き換えに
日本人は優れた記憶力を失っていきました。
しかし、文字は記憶力とtrade off(交換)
してあまりあるimpact(衝撃)をこの国に
もたらしましたね。文字はそのまま技術力
であり、軍事力であり、政治力であり、
softpower(文化力)でもあったのです。
Prince Umayado Shotoku of Yamato
文字は科学技術の使用書、製造工程書、
法律や政令の指南書、統治機構の教科書、
はたまた経典から文学にまで、その姿を変え、
お隣の知的財産を大量に連れてきてくれたのです。
鉄砲の伝来を織田信長が生かしたように、
文字の伝来を大和朝廷は生かして覇権を握りました。
現在、第二の記憶逓減の時代がやって来ています。
記憶力をさらに失うことで、何か素晴らしいものを
手にすることができるのです。
WikipediaやYahooによる知識のIT化やWEB2.0は
私達の記憶力と交換に何をもたらしてくれるのでしょう?
(次回はルー大柴という国風文化)