科学の作り方
人類は五感とその延長コードのような
科学技術によって世界を知ろうとしています。
延長コードを改良し続け、どんなに科学的な
態度を強調にしたところで、たった五本のコード
で勝負しているのです。コードは定期点検が
必要ですし、間違ったつなぎ方をしている場合も
ある訳で、そこに科学の反証可能性が潜んでいます。
では、科学的な態度とはどんな態度でしょう?
個別的なケースから推論して普遍的な
仮説を立てることをinduction帰納法と呼び、
その逆に仮説を様々なケースに当てはめ、
確認する手法をdeduction演繹法と呼びます。
いわゆる三段論法は演繹法の一種なんです。
こうした推論の上に、コッホ(Koch)の四原則
1)ある病気にはある微生物が見出される
2)その微生物は分離できる(培養できる)
3)分離した微生物を別の個体に感染できる
4)感染した個体のから微生物を分離できる
などの視点を当てはめ、統計や実験によって
仮説の実証性を高めていく作業...
これが科学的な態度なのです。
すべての学問は仮説からはじまります。
そして科学も仮説であることは以前書きました。
しかし、科学は持ち前の弾力性(反証可能性の内包)
によって新事実や反証に大きな転換を
迫られても、その体系を維持しつづける
厚かましさがあったのです。そこに進歩と拡大の
チャンスがあり、これに加え、科学技術という
現世利益まで私達にプレゼントしてくれ、
人類から最も信頼の厚い学問となったのです。
反証するチャンスを与えず、反証から逃れる
UFO存在論などが科学でないのは実際に
UFOを連れてくる事ができないからです。
その一方で、ウィッテン(Witten)らの唱える
多次元超ひも理論は数学的に証明されても、
それは、あくまで数学なのであって、
依然ProtoScience前科学の領域を出ることは
ありません。たとえばランドル(Randall)が
LHC実験を成功させてはじめて反証可能性を
内側にもった持った科学となり得るわけなのです。
しかし、反証可能性がある以上は、またひっくり
返される可能性も当然あるわけです。
Edward Witten
反証主義の立場からすると科学理論とは
反証可能性を持ちつつ未だ反証されていない
仮説の総体であるとされています。
こうした現実の中で、人類を進歩させ、
社会をよくしていくために何が必要なのでしょうか?
ひたすら...
1)仮説を立てること
2)思考実験をすること
3)ディベート(議論)をすること
そして4)コッホ四原則モデルをベースにした
実証法へと駒を進めることです。
さて、ここで出てくる問題は予算です。
どのような実証も予算なしには達成できません。
お金の取り合いはご存知のように
企業予算であれば企業の利益に、
税金/公的資金ならば利権者への原則が働きます。
大学機関ならば政治力も関与してきます。
母性心理学の研究は、極端に予算のかかるものでは
ありません。NPO法人として学会を立ち上げるのか、
政府に協力していただくのか、わかりませんが、
皆様のご理解とご協力をお待ち申し上げております。








