今日の教授話は教訓である。

教授が所属する緑の人だが、その訓練は「演習場」と呼ばれる場所で行われる。
演習場は、①人里離れた、②人工物のない、③広い土地、である。
有り体に言えば、山裾の原野なのだった。


しかし、そんな大自然溢れる演習場でも、手を入れてやらないと、本当に山になってしまう。
ということで、教授たち緑人は定期的に草刈りや伐採をしに行くそうだ(演習場整備というらしい)。

演習場は、駐屯地から離れた場所にあるために、泊まりがけで行われることが多いらしい。
で、ある初冬の演習場整備のこと。
なんと、教授の部下が爆発物をこさえた

経緯はこうである。
演習場整備につかう草刈機やチェーンソーはガソリンで動く。だが宿泊時に暖をとるためのストーブは灯油を使うのである。


世間をよく知らない若い衆が、(気を利かせて)ストーブに給油したとき、間違ってガソリンを注いだ…らしい。
しかも、持ってきていたストーブに、全部

幸い寝る前で、ストーブも切っていたこともあり、即、炎上とはならなかった。
当然、混合物はストーブから抜いたのだが、ガソリンと灯油の混合物は調合された…。
その量、約2ℓ

さて、困ったのは教授だ。
この混合物。この量。処分に困る…。

持って帰って固めてポイしかないか、と思ったらしいのだが、そんな教授に悪魔の囁きが入るのだった。



「(教授)さん、燃やしちまいましょう。」



…演習場整備の時には、刈った草や枝を燃やすため、結構大きな穴を掘って、焼却炉としているらしい。
教授の部下はそれを知っており、投棄して処理することを提案してきたのだ。



そうすっか。
そして、教授もそれをあっさり承諾するのだった。



次の日。
朝一番で焼却炉にガソリンと灯油の混合物(の入ったペットボトル)を捨てに行く教授。
焼却炉を監視している火の番の人には、うまく口利きして(おい)人払いした。

そして、焼却炉を、穴を、火元を確認して、ペットボトルを投げた!
自称60m級の遠投力で、である。



見事、着弾!
そして、火が回り…

ペットボトルは、
爆発した。
アホである。



教授「いやー。凄い爆発だったね。まつ毛が焦げたよー。」
朗らかに笑う教授。
教授「火の番も驚いていたよ、はっはっは。」
いや、全然笑い事ではない…。



何が危険か、皆さんはもうお判りだろう。
私も危険物取扱者を持っているため、このあたり詳しいのだが、
灯油にガソリンを混ぜると引火点が激的に下がる。
つまりは、すぐ火がついて燃えやすい液体の完成である。おそらく常温で揮発して燃える。
教授がアホなところは、焼却炉で大量の混合物を処分したのもそうだが、ペットボトルに入れて保管したことだろう。
容器内に静電気がパチッボカン!である

そして我が家でも、こういったことを嫁が知らないことが判明した…。
そもそも、ボイラーに入れる燃料を分かってなかった。
危険は意外と身近にある。
皆さんも是非気をつけて下さい。