ふと思い出したので、昔あった事を。
ある日居酒屋で飲んでいると、近くに座っていた40歳くらいのカップルが、
店員にいちゃもんをつけていた。
どうやら飲み放題をし、終了したのだが飲み足りず、追加で発注をしていたのだが、
そこに女性店員が誤って再度飲み放題ラストですと伝えてしまったようなのだ。
するとオジサンが、楽しく飲んでいたのに、しかも追加で頼んでもいるのに、
早く帰れってことか!!と怒鳴り始め、それを仲裁に入った男性店員には、
なんだよそのひげ面は!飲食にふさわしくねぇだろ!!と、まぁとにかく偉そうに
怒っていたのだ。
小さいお店だったこともあり、居酒屋の雰囲気はすこぶる悪くなり、
非常に酒の不味い思いをしていた。
すぐ近くに座っていたサラリーマンカップルも、気分を害したのかそそくさと
お会計をして帰っていった。とは言えこちとら来たばかり。
二次会ではあったものの、とても運がなかったなぁと、げんなりしていた。
するとそこに、まさにキャバ嬢よろしくといった見た目の若い女性が、くだんの
カップルにつかつかと歩み寄り、女性にお姉さん可愛いですねと絡み始めたのだ。
そのついでに怒られている店員にお勧めのお酒はなんですかー、と。
話しかけ始めたのである。
結果ヒートアップしていたオジサンも、話の腰を予想外の形で折られ、
ふと我に返ったのか、そこからは大人しくなり(相変わらず偉そうではあったが)、
無事普通に飲み始める事が出来た。
これについて是か否か、という話で、恐らくキャバ嬢のような見た目であること、
酔っ払い風に話しかけ絡んだ事、女性を褒める事で、話を逸らしたこと、その辺が
重要だったのであろうが、その選択としては正しかったのか、という事だ。
気分が悪いからとお店を出る事も出来たし、別に無視すれば無視できないレベル
でもなかったため、わざわざそこに踏み込むことは勇気のある行為だと褒められる
ものなのか、クレバーな対応だとされるべきものなのか、である。
とはいえ、自身はそういった所に関わらないようにする、店員とも雑談するのが、
苦手な面もあるので、そもそも論としてただただその光景を傍観するしか
なかったのだが。
ただ、こういった一つ一つの選択肢で、今回のケースで言えば店員はキャバ嬢に
対しては好印象で(実際ありがとうございましたと、アイスをサービスでもらっていた)、
気付けば仲良くなっていた。
じゃあその場に居た人みんながwin-winだったのか、と言えば、
私はそうでもなかった。先般の「選択」について逆に考え込んでしまい、
イマイチお酒の味も覚えていない。
人に話せばその女の子がカッコ良いとされる話なのかもしれないが、
自身の興味はそこにはなく、なぜそういった行動を取るのか、それにより
何の効果が生まれるのかを考え込んでしまい、同席していたツレの話も
うわの空で、なんとも自分はひねくれた性格だなぁとも思いながら
帰路についたのである。
とはいえ、是否なんて考える前に、行動できる人がやっぱり強いのだな、
と痛感した日であった。