痴女(?)との遭遇
週末でまたまた暇なんで若かりし日の体験談など・・・・。
今でも鮮明に脳裏に焼きついております。
私が九州の田舎町から上京して華の都会生活を始めたばかりの頃でした。
都会といってもそこは多摩川を挟んで対岸に東京都が見える微妙に神奈川県でありますが(笑)
当時東京に憧れる理由の一つとして週間プレイボーイや平凡パンチ(既に廃刊)の特集を見ると、
田舎では考えられないほど煌びやかな生活が垣間見えました。
特に異性関係ですね~(笑)
うわ~都会の女性は美しい~ひょっとしたらもてまくるかもしれんな~
もう頭の中は妄想ではち切れんばかりで、
今まさにスタート地点でこれから始まるであろうレースに備えて、
精神を集中し首など「コキコキ」と回しながら、
審判の「位置について~!」という号令を待ち望んでいるアスリートの心境に似たものがありました。
快適な都会生活をエンジョイするには先ずは自分の城の充実を図る必要があります。
目下のところ生活必需品は揃っており足らないものといえばテレビジョン!(笑)
田舎出身の青年にとっては電化製品=秋葉原という方程式しかありません。
後になってみればわざわざ1時間以上も費やすことはなく近所の電気店でも十分だったと悟るとわけですが、
その時は「誰が何と言おうと秋葉原しかないんだかんね~」と・・・・(笑)
登戸で小田急線に乗り換えいざ新宿へ!
時間が中途半端に昼過ぎだったこともあり車内はガラガラ状態、
椅子に腰掛けようと思えばその余裕は十分にありそうに思えた。
まあ~座ってボ~っとしているより外の景色でも眺めながら行こう。
そう決めてドアの開閉口の横の手摺に捕まりながら田舎ではあり得ないほど建物が密集した華やかな町並みを眺めていました。
新宿までは残り半分くらいのところで一層華やかさ増したころでした。
霊感とか六感とかに縁がない私が奇妙な雰囲気を感じました。
それは車内全体というわけではなくもっと身近なところ・・・・・
背後に何者か得体の知れない物がいる・・・・・
最初は次の駅で降りるつもりの乗客が待機しているのだろうと左程気にすることはありませんでした。
「プシューッ!」ドアが開き数人の乗客が乗り降りした後再び「プシューッ」と閉じた。
背中の神経がザワザワ・・・・・
降りていない???・・・・・
先ほどの思い込みが見事に裏切られた。
振り返る勇気もなくそれでも真相を把握したいと思案していたところ、
背後の得体の知れないそのお方が先ほどより幾分接近してきたように感じた。
そのおかげか私の背面とそのお方の前面が密着・・・・・
全身の汗腺から冷や汗が噴出し眼差しは夢遊病者のように中を彷徨いこれで私の短い人生も終わりかなと絶望感が脳裏を掠める。
この時風景が一変した。
短いトンネルらしき場所に差し掛かった瞬間車窓に車内が映し出されるのを見逃しはしなかった。
その時はっきりと背後のお方の正体を確認。
「女」だ・・・・・
幾分生命の危険が薄らいだと安堵した瞬間だった。
異種の恐怖が襲い掛かる。
あろうことか両腕を私の腹部から回してきて抱っこするような格好になったのだ。
(-_-)ウーム
ひたすら困った。
しかも頭まで肩の上に乗せ他人が見ると仲のいいアベックがイチャイチャしているような格好に他ならないのではなかろうか。
更にひたすら困った。
こちらは上京したばかりの初な田舎青年。
対処に困惑してる頃先ほどまでは反対側しか開閉しなかったドアが漸くこちら側の番になったようだ。
「プシューッ」
一先ず降りよう・・・・・それしか解決法は思い浮かばない。
一緒に降りてきたらどうしようとかそこまで想定すらできないほど困惑していた。
ゆっくりと歩を進めて、
なるべく過度に刺激しないようにとの配慮も忘れはしなかった。
それでも気持ちとは裏腹に歩調は速くなっていく。
背後で「プシューッ」とドアが閉まる音が聞こえた。
その瞬間恐る恐る振り返ると・・・・・
そこに人影はなかった。