卒論のアンケート解説 | Hop! Step! -ER! (2006年4月17日~)

卒論のアンケート解説

久しぶりにここに書き込みましょう。


というか見てくれてるのはメーリスみたCOUGARSのみですね☆


卒論では、「中学校の確率分野における新しい教材の開発」みたいなことをやってます。

しかも、普通の教材ではなく、

選択場面において、一見、どっちが有利であったり、どうみても平等であったりといったことが、

確率を使ってしっかり考えれば、逆の答えが見つかる…

そこに発生する驚きから、確率を学ぶことの必要性を感じてもらえるような教材の開発、です。

昼間のはそのうちの一つ。


さて、昼間の卒論アンケートの解説です。


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今あなたはクイズミリオネアにチャレンジ中。

問題は残り1問。これに正解すれば1000万円獲得です。


問題:私の名前は『健斗』ですが、この名前がつく前、もう一つの名前が候補としてありました。

その名前はなんでしょう?


A.小虎(ことら)

B.銀次(ぎんじ)

C.修太(しゅ~た)

D.治(おさむ)


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という問題。というかシチュエーション。

たくさんの多彩な答えありがとうございました。


答えはBの銀次。鈴木銀次です。


…が、正直答えは大事ではないのですw



みなさまからの解答メールに対し、私はこんな感じで送ったはずです。

(例)(Aを選んだ人に対して)

『きっと勘でしょうから、ライフラインの50:50を使って答えを消しましょう。

CとDが消えました。残る選択肢はAとB。2択になった今、答えを代えてもいいですよ?

代えなくてもいいです。どうしますか?』


答えが2択になった後、選択を代えてもいい。


ここが重要だったのです。この研究のポイントです。


あとは答えが予想つかないこと。


みなさんもこういう場面に立ち会ったことはないでしょうか?

選択肢のある問題で、一つ選んだあと、答えを代えていいといわれた。みたいな。

ミリオネアの50:50がいい例ですね。


このとき、最初に選んだ答えのままがいいのか、それとも代えたほうがいいのか。


選択肢としては、

①代えない→どうせ確率は1/2、代えてしまって元の答えがあってたら悔しいから。

②代える→どうせ確率は1/2、どっちでもいいからこれは敢えて代えておこう。

かな。


答えを言ってしまえば、これは代えたほうが有利なのです。しかも数倍の確率で。


解説します。

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4択の場合。

『全然答えがわからない!』

どの選択肢も答えである場合が同様に確からしいとして、

A,B,C,Dが正解である確率は平等。すなわち、以下の4つの場合が考えられます。

○が正解、×がはずれなので…


  A  B  C  D

1 ○ × × ×

2 × ○ × ×

3 × × ○ ×

4 × × × ○


ですね。では、ここでAを選んだのち、残る3つのうち、ハズレの2つが消されました。

消されたのは●です。


  A  B  C  D

1 ○ × ● ●

2 × ○ ● ●

3 × ● ○ ●

4 × ● ● ○


ここで選択肢は2択になりました。○が正答。

わかりますか?最初にAを選んで、答えが消されたのちも選択をAに代えて正解なのは、

4パターンのうち1のたったひとつなのです。すなわち確率1/4。

逆に、最初にAを選んで、答えが消されたのち、選択肢を代えて正解なのは、

2~4の3つ。すなわち確率3/4。3倍の差。


この問題の場合、正解はBなのだから、(選択したものが☆)


  A  B  C  D

1 ☆ ○ × ×…Aを選択

2 × ☆ × ×…Bを選択

3 × ○ ☆ ×…Cを選択

4 × ○ × ☆…Dを選択


として、選ばれた答えと、正解のB以外を消すと…


  A  B  C  D

1 ☆ ○ ● ●…Aを選択→代えたほうがいい。

2 ● ☆ ● ●…Bを選択→代えないほうがいい。

3 ● ○ ☆ ●…Cを選択→代えたほうがいい。

4 ● ○ ● ☆…Dを選択→代えたほうがいい。


となり、

代えないほうがいい確率=1/4に対して、

代えたほうがいい確率=3/4となるわけです。


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もう少しわかりやすいように、選択肢を増やしましょう。10択。

同じように、仮にAを選んだとき、Aと、答えの選択肢以外を消した場合…

Aが答えの確率は1/10。

B~Jに答えがある確率は9/10と9倍の差。


100択の問題であれば99倍の差です。


いいですか?

大事なのは、答えが全くわからなくて、しかもどの答えであっても同様で確からしい場合。

かつ、最初の選択肢と本当の答え以外が消された場合です。


わからなかったら言ってください、さらに解説しましょう。


もっとも、この問題の場合、主観が入ってしまったらしく、

「俺が銀次っぽいから」みたいな理由の方がたくさんいらしたみたいで…複雑ですが問題としては失敗ですw


この問題、「モンティホール問題」という有名な問題を改造したものです。

モンティホール問題では選択肢は3つ。しかも、クイズではなく、当たりをあてるくじみたいなもの。

知識とか主観とかは働かないので、答えを代えようといった気にもなりやすくなってます。


今日のミリオネアのようなことを、中学校の授業の教材の一つとして提案し、

確率を考えるきっかけにしようと思っています。


割と日常で迫られる選択場面の一つだと思うので、

このマメ知識を参考にするとよいでしょう。


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選択肢のある問題があって、どれもわからない。

勘で一つを選らんだとき、自分の答えと、正解かもしれない答えを残して

2択となった。このとき、自分の答えを代えていいといわれたとき、

代えたほうが有利!!

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…もはやミリオネアはテレビでやってないのだがね。。





ご協力&解説読んでくれてありがとうございました。

今後ももし問題あった際にはご協力よろしくおねがいします☆