卒論のアンケート解説
久しぶりにここに書き込みましょう。
というか見てくれてるのはメーリスみたCOUGARSのみですね☆
卒論では、「中学校の確率分野における新しい教材の開発」みたいなことをやってます。
しかも、普通の教材ではなく、
選択場面において、一見、どっちが有利であったり、どうみても平等であったりといったことが、
確率を使ってしっかり考えれば、逆の答えが見つかる…
そこに発生する驚きから、確率を学ぶことの必要性を感じてもらえるような教材の開発、です。
昼間のはそのうちの一つ。
さて、昼間の卒論アンケートの解説です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今あなたはクイズミリオネアにチャレンジ中。
問題は残り1問。これに正解すれば1000万円獲得です。
問題:私の名前は『健斗』ですが、この名前がつく前、もう一つの名前が候補としてありました。
その名前はなんでしょう?
A.小虎(ことら)
B.銀次(ぎんじ)
C.修太(しゅ~た)
D.治(おさむ)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
という問題。というかシチュエーション。
たくさんの多彩な答えありがとうございました。
答えはBの銀次。鈴木銀次です。
…が、正直答えは大事ではないのですw
みなさまからの解答メールに対し、私はこんな感じで送ったはずです。
(例)(Aを選んだ人に対して)
『きっと勘でしょうから、ライフラインの50:50を使って答えを消しましょう。
CとDが消えました。残る選択肢はAとB。2択になった今、答えを代えてもいいですよ?
代えなくてもいいです。どうしますか?』
答えが2択になった後、選択を代えてもいい。
ここが重要だったのです。この研究のポイントです。
あとは答えが予想つかないこと。
みなさんもこういう場面に立ち会ったことはないでしょうか?
選択肢のある問題で、一つ選んだあと、答えを代えていいといわれた。みたいな。
ミリオネアの50:50がいい例ですね。
このとき、最初に選んだ答えのままがいいのか、それとも代えたほうがいいのか。
選択肢としては、
①代えない→どうせ確率は1/2、代えてしまって元の答えがあってたら悔しいから。
②代える→どうせ確率は1/2、どっちでもいいからこれは敢えて代えておこう。
かな。
答えを言ってしまえば、これは代えたほうが有利なのです。しかも数倍の確率で。
解説します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
4択の場合。
『全然答えがわからない!』
どの選択肢も答えである場合が同様に確からしいとして、
A,B,C,Dが正解である確率は平等。すなわち、以下の4つの場合が考えられます。
○が正解、×がはずれなので…
A B C D
1 ○ × × ×
2 × ○ × ×
3 × × ○ ×
4 × × × ○
ですね。では、ここでAを選んだのち、残る3つのうち、ハズレの2つが消されました。
消されたのは●です。
A B C D
1 ○ × ● ●
2 × ○ ● ●
3 × ● ○ ●
4 × ● ● ○
ここで選択肢は2択になりました。○が正答。
わかりますか?最初にAを選んで、答えが消されたのちも選択をAに代えて正解なのは、
4パターンのうち1のたったひとつなのです。すなわち確率1/4。
逆に、最初にAを選んで、答えが消されたのち、選択肢を代えて正解なのは、
2~4の3つ。すなわち確率3/4。3倍の差。
この問題の場合、正解はBなのだから、(選択したものが☆)
A B C D
1 ☆ ○ × ×…Aを選択
2 × ☆ × ×…Bを選択
3 × ○ ☆ ×…Cを選択
4 × ○ × ☆…Dを選択
として、選ばれた答えと、正解のB以外を消すと…
A B C D
1 ☆ ○ ● ●…Aを選択→代えたほうがいい。
2 ● ☆ ● ●…Bを選択→代えないほうがいい。
3 ● ○ ☆ ●…Cを選択→代えたほうがいい。
4 ● ○ ● ☆…Dを選択→代えたほうがいい。
となり、
代えないほうがいい確率=1/4に対して、
代えたほうがいい確率=3/4となるわけです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
もう少しわかりやすいように、選択肢を増やしましょう。10択。
同じように、仮にAを選んだとき、Aと、答えの選択肢以外を消した場合…
Aが答えの確率は1/10。
B~Jに答えがある確率は9/10と9倍の差。
100択の問題であれば99倍の差です。
いいですか?
大事なのは、答えが全くわからなくて、しかもどの答えであっても同様で確からしい場合。
かつ、最初の選択肢と本当の答え以外が消された場合です。
わからなかったら言ってください、さらに解説しましょう。
もっとも、この問題の場合、主観が入ってしまったらしく、
「俺が銀次っぽいから」みたいな理由の方がたくさんいらしたみたいで…複雑ですが問題としては失敗ですw
この問題、「モンティホール問題」という有名な問題を改造したものです。
モンティホール問題では選択肢は3つ。しかも、クイズではなく、当たりをあてるくじみたいなもの。
知識とか主観とかは働かないので、答えを代えようといった気にもなりやすくなってます。
今日のミリオネアのようなことを、中学校の授業の教材の一つとして提案し、
確率を考えるきっかけにしようと思っています。
割と日常で迫られる選択場面の一つだと思うので、
このマメ知識を参考にするとよいでしょう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
選択肢のある問題があって、どれもわからない。
勘で一つを選らんだとき、自分の答えと、正解かもしれない答えを残して
2択となった。このとき、自分の答えを代えていいといわれたとき、
代えたほうが有利!!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
…もはやミリオネアはテレビでやってないのだがね。。
ご協力&解説読んでくれてありがとうございました。
今後ももし問題あった際にはご協力よろしくおねがいします☆