猫さんが急に具合が悪くなることに、日常遭遇することも少なくありません。動物病院があいている時間だったらいいけれど、夜遅くなってからだと悩む場合もあるでしょう。様子を見ていて大丈夫そうな場合もあるし、急にぐったりしてしまう場合もあるかと思います。そんなばあいの応急処置や、どんな状況だと病院に直行した方がいいかなどを、いくつかあげておきますので、参考にしていただけると幸いです。(というか、こういうのを参考にしないですむように、猫さんが平和に暮らせたら一番良いのですが)

応急処置について

 応急処置は、あくまでも獣医さんに見てもらうまでの取りあえずの処置ですが、これが猫さんをたすける一助になる場合もありますので、重要です。いろいろなケースがありますので、よく覚えていると良いかと思います。

ぐったりしている場合

1,まず、口を開けて舌を引き出します(この際、咬まれないように)。口の中に出血や吐物がないか調べ、口の中をぬぐっておきます。つぎに、呼吸数を見てください。呼吸は胸の動きをじっと見ているとわかるはずですが、正常ならば20から30回ぐらいです。それから、脈を調べます。猫ではわかりにくいのですが、後肢の足の付け根の部分で脈が取れます。難しい場合は、胸を触ると心臓が触知出来ます。
呼吸、心臓の停止がある場合の救命処置については、後述します。
2,呼吸、心拍があるのを確認したらば、猫の意識の状態を確認してください。触ったりすることに対して反応があるなら良いのですが、無反応であるならば、耳、瞼、脚などをさわって、反応の有無を確認してください。
3,事故などにあった場合、急激なショック状態に陥ることがあります。この場合、体温が急激に低下しますので、保温をしてください。猫を楽な姿勢で横にして、タオルや毛布で軽く包んで保温します。このとき、呼吸を邪魔しない程度に包むのを忘れないこと。

怪我をしている場合

 まず、怪我の場所を確認します。キズが深そうな場合は深追いせずに、動物病院にそのまま連れて行った方がよいかもしれませんが、応急処置が可能ならば簡単に処置してから連れて行くと良いでしょう。
・出血がある場合は、ガーゼでその部分を圧迫します。通常の出血ならば5分程度圧迫すると止まると思いますので、止まったのを確認してから病院に連れて行ってください。止まらない場合ですが、その部分を圧迫したまま、上からガーゼや包帯でしっかり押さえて巻きます(呼吸が苦しくない程度にまく)。そして、そのまま動物病院に直行してください。
・脚がぶらぶらしている、動かないなど、骨折の可能性がある場合は、まず猫を落ち着かせ、受症部位が動かないように扱いながら移動させます。大きめの段ボール箱などを使って、その中に横たえるなどすると良いかと思います。脚がぶらぶらしているからといって、副木などを当てると、かえって痛めてしまうこともあるので、そのままの状態で連れて行ってください。

やけど、感電など

やけどの場合-必ず水でよく冷やしてください。毛があるから何でもないと思っていても、深部まで浸透してしまう場合があるので、かぶったと思う部分は必ず全体冷やしてください。やけどは直後より、後で問題が出る場合も多いですので(かぶった部位の皮膚が後で感染を起こしたり壊死したりする)、冷やした後は必ず病院に連れて行ってください。

感電の場合-まずは原因になっている電源を抜いてください(猫をコードから引き離すよりその方が安全。感電している猫を触ると、人も感電しますので)。それから、猫さんの意識の有無を調べます。酷い場合は感電で即死する場合もありますので、速やかな処置が必要です。意識がある状態でも、必ず動物病院に連れて行ってください。

何か食べてしまったり、急激に吐いたりしている場合

 何か変なものを食べてしまったりして、モノを詰まらせることは、猫はかなり注意深いので余りあることではないのですが、時々は食物と間違えてうっかり何か飲み込んだり、何か変なモノがかかった草や動物を食べてしまうこともあり得ます。何か食べたらしい症状がある場合は直ぐ病院に連れて行くのがよいのですが、もし異物が引っかかっているようで、呼吸が苦しいなどの場合は、口の中を開けて、確認してみてください。(この際、猫は大概興奮状態で咬まれることが多いので、まずはおとなしく静かに落ち着かせてから見てください)取るのが無理ならば、呼吸が楽に出来る体勢にして、早くに病院へ。万が一取れる位置に何かあるならば、先の丸いピンセットなどでつまんで引いてみてください。(無理なら深追いせずに病院へ)
 急激な嘔吐は、単純な胃腸炎か、何か変なものを食べたか判別しにくい時は、吐物も病院に持参するようにしてください。誤嚥といって、吐いたモノを喉に詰まらせたりしないかどうか目を離さないようにしていてください。吐いた後に急にぐったりしてしまうようなときには、急いで口を開けてと物が中に詰まっていないか確認し、舌を引き出して口の中をぬぐって、呼吸を確認しましょう。

何かに刺されたり咬まれたりした場合

 猫は動くモノを口に入れる習性があるので、変な昆虫や小動物を口に入れてしまうことがあります。この際、蜂など押さす昆虫をかまっている場合は、蜂に刺されたことによって人間と同じような症状が出る場合もあります。酷い場合はショック症状を起こすこともあるので、刺された後に急にぐったりしてしまうなら急いで病院へ。刺されたところが腫れてきている場合は、まず刺されたところを見つけて、針が残っていないか取り除いた後に病院で適切な治療を受けてください。カエルなどをかまっている場合、ヒキガエルやアマガエルは表皮から毒を分泌するモノがおりますので、口に炎症を起こしたり、泡を吹いたりします。よだれが酷い場合はよだれをふきとって、飲み込まないようにしてください。口の中に毒が残っているといけないので、口をよくぬぐってください。蛇に咬まれた場合は、咬まれたところの部分を冷やしながら、動物病院に向かってください。

おぼれた場合

 水におぼれてしまった場合は、まずはタオルで体を拭きますが、肺に水が入ってしまっているなら急いで出さないといけないので、頭を下にして脚を持って振り子のように猫を降ってください。遠心力で水が出てきます。水が出てきたならば、呼吸を速やかに確認し、呼吸停止があるなら直ぐに人工呼吸を開始します。それから、猫が体温低下していますので、保温を忘れないでください。

蘇生方法

 上記のような救急の事態に遭遇した場合、意識不明で呼吸や心臓が停止してしまっている場合もあります。この場合、人間と同じで、そのままにしておくと病院に行くまでに救命が不可能な状態になってしまう場合も起こりえます。心肺停止は非常に救命が難しい状況ではあるのですが、蘇生処置でもしかしたら助けられるかもしれない場合もあるので、あきらめずに行ってみてください。
・人工呼吸:まず、横にして楽に寝かせます。首は伸ばして、口を開けて、口の中にあればふき取ってください。次に、タオルで舌をつまんで引き出し、喉のあたりをぬぐってみてください。これで呼吸が再開する場合もあります。舌を引き出しても意識や呼吸が戻らなければ、胸に手を当ててそっと押してください。、胸を押すことで、肺が換気するのを助け、肺に新鮮な空気が取り込まれる補助となります。5秒に1回ぐらいのペースで続けてください。
・口移しに人工呼吸する方法:胸を押しても肺がふくらまないような場合もありますので(事故で胸部に損傷がありそうな場合)、その場合は強制的に空気を送り込んで肺をふくらませます。鼻に口を押し当て、2,3秒息を吹き込んでください。胸がふくらむのを確認したらば、これを2,3秒に1回の割合出続けます。自発的に呼吸するまでゆっくりと続けてください。
・心臓マッサージ:呼吸も停止し、脈が触知出来ない場合は、心臓を刺激してマッサージしなければなりません。横に寝かせて肘の直ぐ後ろのあたりで、胸を手のひらで深く圧迫します(この際、胸をつぶさない程度に。かといって、弱すぎると刺激が心臓に伝わらないので、加減が難しいですが)。これを1秒に1回ぐらいの割合出続けます。心臓マッサージ5回に1回の割合で、人工呼吸を併用するとなお良いのですが。

急な場合に備えて

 以上は、あくまでも獣医さんに見せるまでの応急的な処置なので、急があった場合は必ず動物病院に行くようにしていただきたいのですが、、、、
 急な出来事が実際に起こったときに、獣医師と思うように連絡が取れない場合が、実際の所多いのではないかと思います。中には24時間見てくださる病院もありますが、多くの病院は診察時間外は連絡を取りにくい場合が多いようです。こんな時のために、普段からどうしておけばよいかですが、、、、
 まず、ホームドクターの他に、24時間見てくれる病院を近くに探しておきましょう。もしない場合は、近所の病院をリサーチして、急患に応じてくださるか事前にチェック入れても良いかと思います。ホームドクターにも、急があった場合の連絡方法など、わかれば聞いておきましょう。
 実際に何かあった場合ですが、電話で連絡が取りにくい場合は、その病院が獣医さんが自宅で開業しているならば、直接持ち込んでしまう方がよいかもしれません(じっさい、ワタシの勤め先はよくこういう方法で来る人がいるのだが、、、(^^;))。直接行って玄関で呼び鈴馴らすと、自宅の場合は大概出てきてくださるはずです。命に関わる場合ならば、こういう方法でもかまわないかと思います(いささか乱暴な発言ではありますが、、、(^^;))。