こんばんは、かべちょろXです。
最近暑いですね、皆様体調管理にはお気を付けください…
さて、今回は「博多弁、教えちゃあ」、博多弁を教えてあげるよということで、具体的な博多弁解説に入っていきますよー!
の前に、今後の執筆計画(当ブログのカリキュラム的なやつです)を先にご紹介します。
今後の執筆計画
《文法編》
第1回:名詞・動詞・形容詞
第2回:副詞
第3回:接続詞・接続助詞・格助詞
第4回:終助詞
第5回:副助詞
第6回:「来る」
第7回:可能を表す表現
第8回:敬語表現
《語彙編》
第9回:動詞
第10回:形容詞・形容動詞・副詞
第11回:その他いろいろ(1)
第12回:その他いろいろ(2)
他実践編やコラムも予定
以上、現時点での執筆計画です。少々お堅い感じになっていますが、品詞ごとに分けるのが一番分かりやすいであろうとの考えの下このような形にいたしました。
ではでは、いよいよ本題に入っていきます!
名詞の変化
現代の博多弁においては名詞レベルで共通語と異なるものはあまりありません。ですが、若干の変化がある場合があります。
例えば、「者」が「もの→もん」のようにの→んに変化したりします。くまもんの「もん」と同じですね←
例:「この→こん」 こん消しゴム○○ハンズで買ったっちゃけど、ばりよぉ消えるっちゃん。 (この消しゴム○○ハンズで買ったんだけど、めちゃくちゃよく消えるんだよね~)
また、今の若い世代では廃れてしまっていますが、博多ではサ行を「しゃしぃしゅしぇしょ」と発音していたそうです。
先生→しぇんしぇ せからしか(うるさい、面倒だ)→しぇからしか
主に年配の方々の話ですが、逆に濁音は「じぇ→ぜ」のように発音されることがあります。不思議ですね。
実際に、僕のばーちゃんは「JR」のことを「ゼイアール」 って呼んでます。
あ、ちなみにこれホントの話ですよ。
それから、指示代名詞「これ」「それ」「あれ」「どれ」が「こげん」「そげん」「あげん」「どげん」に変わります。いわゆる「こそあど言葉」ですね。アクセントは全て「低高低」で、二音節で「こ げん」と発音します。8分音符で「タンタン」と手を二回たたくリズムです。笑
また、「どげん」は単独で疑問文になります。その場合のアクセントは低高高?で語尾は若干「ん?」が口の中に残る感じに上げます。(これは「ん?」で終わる疑問文共通です。)
熊本では「こぎゃん」佐賀では「こがん」宮崎では「こんげ」…のように、九州内でも実にバリエーション豊かでして、その人がどこ出身なのかを見分けるキーポイントでもあります。
↑では分かりやすさのために県で分けましたが、方言には明確な境目がありませんので、必ずしも「この言葉はこの県で使われている」というふうに当てはめることが出来るわけではないという事はご了承ください。
次は、形容詞です。
形容詞の変化
今回のメインともいえる、形容詞の変化。
おそらく一番有名な博多弁である「よか」の登場です。
「よか」ってめちゃくちゃ便利な言葉なんですよ。実は。
よか/よかばい/よかよ。→いいよ。
よかたい/よかくさ.! →もちろんいいよ!/いいに決まってる!
(いや、せんで)よか。→いいや、しなくて大丈夫。
よか?/よかね?→いい?大丈夫?OK?
よかと?→(もう一度確認するけどそれで)大丈夫なの?
肯定、否定、疑問全部使えるんですね。さしずめ「いい」よりも使いみちが広くて、「結構です」のくだけたバージョンという感じでしょうか。
肯定の場合はよか(低高)、否定の場合はよか(低高!)、疑問の時はよか(低高?)、って感じです。伝わりましたかね?笑
博多弁では、形容詞の終止形の語尾が「い→か」に変化します。
例:よい→よか うまい→うまか
ただし、最近は普通に「いい」「おいしい」と言う人が多い印象です。(特に若い世代)
自分の場合は、普段は半々ぐらいで、感情が高まると「~か!」になります。笑
冷房の効いた教室から出て第一声、「うわー、ばり暑か!」って感じです笑
第4回で取り上げる予定ですが、形容詞単独よりも「よかろーが」「よかろーもん」のように形容詞+αの形の方が「~か」の使用頻度が高い気がします。
例:こん時計よかろーが~、いくらやったと思う?笑 当ててみ!
(この時計いいと思わない?いくらだったと思う?笑 当ててみて!)
そげなことせんでよかろーが(よかろーもん)!
(そんなことしなくていいだろうが!)
「よかろーもん」ってなんかうまく訳せないんですよね…口調によってもニュアンスが違いますからね。優しめの時は「いいじゃないか」、強めの時は「いいだろうが!」って感じですかね、うーん、普段博多弁でしゃべりよるけん分からん…
そういえば10年ほど前、プロ野球のズレータ選手がホークス時代に博多華丸さんから教わったという「よかろーもん!」を福岡の方言だと教わっていなかったのか、うっかりなのか、千葉ロッテマリーンズ移籍後のお立ち台で叫んでしまったという事件(?)がありましたね…
動詞の変化
動詞も一部活用が変わります。
その代表格が命令形です。
さあ、みなさん中学で習った口語文法を思い出しましょう。笑
日本語の口語の動詞には五段活用、上一段活用、下一段活用、カ行変格活用、サ行変格活用の五種類あります。
カ行変格活用は「来る」、サ行変格活用は「する」のみです。
五段、上一段、下一段はそれぞれ「ない」をつけたとき、語幹を伸ばす音がア、イ、エとなることで区別できます。
例:五段活用動詞「書く」→かかぁーない
上一段活用動詞「起きる」→おきぃーない
下一段活用動詞「食べる」→たべぇーない
共通語では五段活用動詞の命令形は「~子音+e」、上一段、下一段活用動詞の命令形は「~ろ」ですが、博多弁ではどちらも「~子音+e」となります。
例:見ろ→見れ 食べろ→食べれ
ただし、この命令形の使用頻度はかなり低いです。
それよりも、むしろ「連用形+ぃ」の形をよく使います。
どういうことかといいますと、
書き+ぃ→書きぃ
見てみる+ぃ→見てみぃ *なぜか「見る」単独で「見ぃ」という言い方はあまりしない
食べる+ぃ→食べりぃ
という感じです。
優しいおじちゃんが「兄ちゃん寒かろ、これば飲みぃ」と言って缶コーヒー渡してくれる、みたいな感じで使います。
先程の「~れ」に比べると柔らかい表現で、優しい感じが伝わってくるのでどんどん使ってほしいですね()
本来は助動詞の範疇ですが、説明の都合上「~ない」という表現についても触れておきます。
これは博多弁というより西日本方言だと思いますが、否定の「~ない」は「~ん」に変わります。
例:食べない→食べん 行かない→行かん する→せん 来ない→来ん
これに関連して、命令というよりかは勧誘表現になりますが、「未然形+ね」という形もよく使われます。
例:踊らんね (踊らない?踊りませんか) 食べんね (食べない?食べませんか)
「これ食べんね?」って言われた時、断る自信は僕にはありません…ってぐらいこれも優しい(断りづらい)表現です。
最後に、動詞が以下のように変化する場合を紹介。
例:買った→こうた 会った→おうた
数は少ないですが意外と使用頻度は高めです。
こうしてまとめてみると、博多弁の表現の豊かさに気づかされますね。
共通語で細かいニュアンスを表現するのはなかなか難しいです…
その辺は今回の反省を生かして次回以降改善していきたいと思います。
次回予告
今回はなかなか盛沢山な内容でしたね。
次回は「副詞」です。用言を「強調」するのが副詞なわけですけど、有名な「ばり」以外にも色々ありますので、一緒に学んでいきましょう!
ではでは!
ばいばいばいヾ( ´ー`)