前回、働く母の話を書いた。では父親は何をしているのか、と自分に向けて考えてみた。
仕事は忙しかった。
だが「忙しいから無理」とも言い切れなかった。
平日は可能な範囲でテレワークを使い、夜の1時間だけ机に向かう。
週末はほぼ受験中心の生活。
気がつけば、自分の時間はほとんどなくなっていた。
特別なことをしたわけではない。
算数や理科は正直つらかった。
特殊算や電流の問題は、解説を読みながら一緒に考えるだけ。
教えるというより、「わからないね」と言いながら横で悩んでいた。
あきらめずに隣に座った。
国語は少しは役に立てた。
これまでの社会人経験から、文章の背景や設問の意図は読みやすい。
解説を読む力も子どもよりはあった。
社会も同じで、経済や時事問題は仕事の延長線でもあった。
そしてテキストやプリントの整理。
紙の山を整えるだけで、頭の中も少し整理されるように思う。
ただ、これで合格できたわけではない。
結局、勉強したのは子ども自身だし、相性が良かったのかもしれない。
親の関わりがどこまで影響したのか、正直わからない。
父親は「結果だけを見る立場」にいなくてもいい。
全部を背負う必要もないが、全部を任せきりにもしない。
できる範囲で、横に座る。
どこまでいっても受験は子どもの挑戦。
親がどこまで時間を差し出せるかは、家庭ごとに問われる。
大きなことはできなくても、「一緒に考えた時間」は確かに残る。
それだけは、間違いなかったと思う。